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Metallica

Metallica - Kill 'em All (1983)

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 1983年のメタリカのファーストアルバム。もちろん自主制作盤の方の「Kill 'em All 」だ。この頃表側はポップス全盛期のバブリーで何もかもがキラキラと輝いていた時代、今でもBack To 80sと言われるくらいだからその綺羅びやかさは突出していたと思うし、実際振り返っても世の中すべてがハッピーだった。音楽チャートも第二次ブリティッシュ・インヴェイジョンと言われたくらい英国ポップス全盛期、いわゆる80sです。ちょっと斜に構えてロック的に見てもLAメタル前夜でジューダスやヴァン・ヘイレンが台頭してクワイエット・ライオットが売れてメタルが市民権を獲得し始めてモトリーが暗黒をイメージにした頃。映画はフラッシュダンスやフットルースと青春真っ只中モノばかり、マドンナがまだ可愛かった時代。その頃既にロック野郎の一端になりかかってた自分は80sの波に呑まれつつ、ちょいとヒネた連中のおかげでダークな世界も聴いてた。その時にメタリカの「Kill 'em All 」に出会っている。NWOBHMの波も知らなかったのでメタリカの「Kill 'em All 」を最初にカセットテープで聴かせてもらった時はとてもじゃないが聴けなかった。当時はスラッシュメタルの言葉はなかったからとにかく表にいるヘヴィーメタルの音と全然違って、もっと攻撃的で粗雑でグリグリしてうるさい重金属音でドスの効いた怖いサウンドの印象。全然聴けなくてMetal+America的なバンド名のMetallicaは凄いと頭の中にインプットされた。スレイヤーはもっと聴けなかったしアンスラックスはワケ分からなかった。その頃はまだ他に聴くべき音があって、色々な音を聴いてギターを弾いてバンドもやるが、数年後に昔の仲間とバンド組む話になってそいつの家に行くとまたメタリカだ。そこでもまた聞かされて、ダメだったけど、またしても頭の中にインプットされる。その後、深夜のテレビ番組で衝撃的なPV「One」を見た。それでもすぐには飛び付けなかったけど、時間と共に事ある毎になんとなく聴いていた。

 時が経ち、「Kill 'em All 」も昔は全然聴けなかったが今は普通にハードなメタル程度で普通に聴けるから面白い。今回全アルバムを通して聴いて一番異質で勢いやジャンルに囚われない音でメタリカらしい攻撃性。突っ込みどころは満載だけど勢いが全てを呑み込んでいるから何も言うまい。もうちょっとメタルな耳が早期に養われていたら確実に青春のバンドになっていた気もするが、コレで燃えた人も多かっただろう。普通のロックや軽いメタルポップでは満足出来ない本物の飾らない重金属をぶつけてきた男臭い音だけにウソがなくて信者が多い事も納得。

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