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King Crimson #2

King Crimson - Lark’s Tongues In Aspic : 40th Anniversary (2012)

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 アマゾン見てたらキング・クリムゾンの「Road to Red Box」が出る、とあって何じゃこりゃ?と見るととんでもないブツ。タイトル通り「Red」に至るまでの過程=即ちライブの模様を何枚も入れて、更にセッション入れて別ミックスやリマスター云々などハイレゾも合わせてコレ以上はないくらいにセットにして高値売り。キング・クリムゾンのリスナーは既に大人が多いのでこれでも別に高いとは思わないだろうけど、それまでにチマチマと散財して集めてきた事を考えると腹の立つリリースでもあるだろう。オフィシャルでもアレコレ小出しにされてその隙間は全部ブートで押さえてて、リマスター、リミックス、ハイレゾあたりならオフィシャルでしか出来ないからともかくとしても、それも何回となく手を替え品を替え騙し取られて、それを楽しめる自虐的なリスナーも多いので成り立っているが、ある意味商業ベースに対するプログレッシブな姿勢は変わっていないとも評価できるか。自分はもうその辺最初の頃でついていけなくて辞めたから普通のリリースとライブ以外、要は持ってない音を買う以外はしていないので同じアルバムが何枚も、には手を出してません。

 そんな情報を横目に見てると既に「Lark's Tongues In Aspic: 40th Anniversary Series [CD+DVD-A (NTSC)+BD]」が出ていて、これも同様の形態によるリリースだった事からすると「Lark's Tongues In Aspic: 40th Anniversary Series」がそこそこ売れて評判良かったから思い切って「Road to Red Box」のリリースを画策かもしれない。「Lark's Tongues In Aspic: 40th Anniversary Series」では1972年秋の新メンバーによるツアー7公演をパッケージしてアルバムセッションも取り入れてセットにしている作品。ジェイミー・ミューア在籍時のキング・クリムゾンの演奏をこれほど聴ける事もないだろうから貴重なライブ盤ばかりだし、映像も残されているアイテムは概ね収録されているので、この時期のキング・クリムゾンのマテリアルはほぼ放出仕切ったと。自分は聴いてないが、ここに入れられてるライブ盤はオーディエンス録音のブート盤と同じだと思う。卓録テープならまだオフィシャルの凄さもあるけど客席録音テープとしたらそれを自分のものであるかのようにリリースするのもどうなんだろと言う気はするが。分からん、そこまで興味ない。昔キング・クリムゾンのそのヘンのは大抵聴いてた。ズームクラブやブレーメン、ギルドホール、オクスフォード、グラスゴーなんて古くからあった。音悪かったけど。

 その他興味深いのはセッションの模様か。これもうスタジオでのテープリールを所有している人しか聴けないからそれが裸にされて出されるのは面白そう。この狂気のアルバムがどんな風に出来上がっていったのか。ただライブで結構こなれていたからその焼き直し感は強いか。それでも興味深いので気にはなるけど、上記の理由であまりこの限定盤を聴く気にはならない。もっと手軽だったらセッション集だけ聴きたいけどそんなリリースもないだろう。YouTubeか何かで一度聴いたら満足する音源だからさほどの所有欲は起こらないし、そうやって自分の物欲を抑制していかないと大変な事になるので言い訳しているだけのレビューです。しかしスティーブ・ウィルソンによる別ミックスとは、自虐的なことするね。

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