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Greenslade

Greenslade - Greenslade (1973)

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 真のプログレッシブバンドの称号を受けても恐らく多くのリスナーは文句を言わないであろう英国ロック史で最も進化的なサウンドを出していたグリーンスレイド。いわゆるスーパーバンド的合体によるバンド結成と言われ、サムライに在籍していたデイヴ・ローソンとコロシアムにいたデイヴ・グリーンスレイド、トニー・リーヴスにクリムゾンの「Lizard」でドラムを叩いていたアンディ・マッカロックが加入した純英国的ロックバンド。編成はドラム、ベースに鍵盤二人の組み合わせなのでギター好きの自分には聞くべき点がなく、だから故に純粋にリスナーとして音楽としてこのバンドをじっくりと聴く。

 1973年ファーストアルバム「Greenslade」でデビューしたけど、このファーストアルバムが最高に素晴らしい。キャッチーでポップなフレーズをいくつか持っていて、オルガンで派手に鳴らしておきながら曲中ではメロトロン主体とした落ち着いた感のある曲構成が彼等の持ち味。そこにアンディ・マッカロックの軽くてジャジーなロールチックなドラムが絡むのでもの凄く心地良い。後のアルバムになると鍵盤奏者二人のエゴが強くなり、合作手法から離れていくけど、ファーストアルバムは全員一緒になって参加して、しっかりとバンドらしさを放っている。この傾向は翌年発表のセカンドアルバム「Bedside Manners Are Extra」までは引き継がれているのでいずれも甲乙付けがたく良いアルバム。

 もうひとつこのバンドの良いところは当然ながらジャケット。ロジャー・ディーンによるグリーンを基調としたアートワークで彩られ、これは後のセカンドアルバム「Bedside Manners Are Extra」や4枚目「Time And Tide」でも反映されて、バンドのイメージ作りに持ち込まれている。三枚目「Spyglass Guest」はロジャー・ディーンが採用されていないのでがらりと印象を変えようとしたのだろう。それとも1974年にセカンド、サードと立て続けにリリースされた影響があるかもしれない。

 英国ロック好きの中ではかなり人気の高いバンドとして定着しているが、その影響から2001年頃再結成してライブを行ったり、当時のライブ盤をリリースしたりとちょこちょこと騒がしい状況を作り出している。

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