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Prince , Sly & The Familystone

Sly & The Family Stone - A Whole New Thing (1967)

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 音楽の好みは人それぞれだが、若い頃だけに限らず今も衝撃を受けるとハマりまくる。若い頃に出会った音楽は年取ってからも聴くが、子供騙しの音楽はあまり聴かなくなる。一方ホンモノはいつまでも聴き続ける。若い頃聴いたからでもなく、あれこれ聴く中で気に入った音楽も出てくるし、年を経た事で聴けるようになった、好みの幅が広がった音楽もある。長く聴いてても偉くもないし深い情報を知っているから偉いもんでもない。ただ単にそのミュージシャンを聴く機会に恵まれて自分がどう感じるかがキモ。

 本家本元のファンク、Sly & The Family Stoneの1967年のデビューアルバム「A Whole New Thing」です。スライはどうしても後の「There's a Riot Goin On」や「Stand!」が知られているし名盤と謳われるが、ファーストアルバム「A Whole New Thing」を聴くと大きな間違いだと気づく。自分の好みは多分こっちの方だ。「There's a Riot Goin On」や「Stand!」で聴ける重く深いファンクじゃなくて、「A Whole New Thing」で聴けるフザけた感たっぷりの世界が良い。多分彼らは自分たちの得意なフォームのロックをプレイしていたと思う。ユーモアも分かるし本気で演奏してるけど、全体的には楽観的なオフザケ感たっぷりで社会的なバンドになる気もなく楽しんでいる。ザッパがやってたお遊び感満載で楽しく聴こえるから、スライはロックファンにも好かれたと納得。決して「There’s a Riot Goin on」や「Stand!」ではなく、こういうスタンスのライブからだ。

 ダサいジャケットにもっさりしたスタイルと音は時代を物語る以外の何者でもないけど、ここで出てくる音は今の時代に至るまで唯一無二。似た音はあるけど、ここまで徹底してロックファンも楽しめる音は聴いた事ない。これが色々な方向に進んでプリンスになるが、意外なくらいに濃密なアルバム。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪