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Grand Funk Railroad

Grand Funk Railroad - On Time (1969)

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 1970年前後の英国ハードロック旋風に対抗できるアメリカンハードの雄と言えばGrand Funk Railroad。メジャーシーン唯一無二のアメリカンハードロックバンドで、その音や如何に。英国との競争論ではなく同じような時期に水面下のシーンで有象無象にあったバンド郡達との相違を確認したかったが、王道GFRは違ってさすがだった。

 1969年にリリースされたデビュー・アルバム「On Time」は冒頭軽めにも聴こえて、メジャーになれなかった連中の方が生々しい音と思ったけど、聴いていくウチにエッジの立った強烈なブルースもブギも凶暴さも全て取り入れた怪物並みのバンドの懐の深さを実感した。この後ひたすらに働かされるおかげでバンドは短命且つ自身を見失っていくけど、最初期のロックのエネルギーは凄まじく、確かに理屈ではなくこれがロックと実感できる作品に仕上がってる。ミックスの上手さと音の作り方の器用さもあるけど凄い。好みは別として力強さと緩急自在さに圧倒される。

 終盤に飛び出してくる「Heartbreaker」の熱唱と哀愁が堪らない響きで、英国には決して出せない音を出しながら同じハードロックの土俵でこれだけ逞しく戦えたのはGFRくらいしかいない。過剰表現と思ったけど誇大妄想でもなく本気でそれだけのバンドだったので、今更ながらカッコ良い。

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