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KISS #1

Kiss - Kiss (1973)

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 とある先輩が中学生の頃、キッスのファーストアルバムを学校に持っていってクラスの女の子に見せたら怖いと云われて驚いたらしい。「どこが怖いんだ?カッコ良いじゃないか」と。捉える人によって違うけど、アルバムジャケットで怖いなら、ライブ一体どうなるのか。

 キッスはサウンドは滅茶苦茶ポップなハードロックでおどろおどろしくないけど、あのメイクとステージなので悪魔的なイメージが当時はあったらしい。70年代初頭にあんなのが世に出てきたら騒がれる。興味本位で音を聴いたらキャッチーでカッコ良いと。その辺がユダヤ人ジーン・シモンズの商売の上手い所で、悪魔的イメージも見事な戦略だしサウンドもよく出来ている。

 キッスのファーストアルバムは名曲ばかり入っていて、初っ端の「Strutter」を聴くだけでアルバム全編聴きたくなる軽快なハードロック。低音が響いてくる「Nothing To Lose」もキャッチーで、一番怖いメイクをしている人が歌っているとは思えない。それからライブの演出が盛り上がる「Firehouse」。そして「Cold Gin」だからベスト盤聴いてるみたいの傑作が揃ってる。エースのギターも軽快で良い。続いては「Kissin' Time」に「Deuce」だからベスト盤に近い。そして最後の「Black Diamond」でダメ押しのコーラスワークもアルペジオも素晴らしく、クサイ感じの盛り上がり方もツボにハマる名曲です。終盤が大人しいけど絶大な効果。

 改めて聴くと凄いベスト盤。今でもライブでやってる曲ばかりで、お決まりの演出は必ずやってくれるプロ中のプロ。

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