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Genesis

Genesis - From Genesis to Revelation (1969)

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 2000年代ももう18年目なので新しくもないけど、それでも自分的音楽史からすると随分と新しい部類に入る時代。そのヘンで面白そうなバンド発掘を頑張ってたが、なかなか琴線に触れるのが見つけにくい。あるとは思うけど、普通のロックで発展しているバンドに触れてみたくて。メタルじゃなくて普通のロック。そうすると焼き直しばかりになって、その焼き直しにプラス何かを上手く見つけているバンドがあるはず。モッズ風味だったり何かが加わってる感じ。カッコ良さは出てくるから刺激が欲しくて。

 1969年にプログレの雄と名を馳せるジェネシスもデビューアルバム「From Genesis to Revelation」をリリースして、これもまたイエスと同じくプログレッシブ・ロックたる断片は聴けるものの、サイケデリックやアート・ロック風味が圧倒的に強く、後のプログレバンドの雰囲気とはかなり異なる作品。それでもイエスと同じく同時期の英国ごった煮ロックのレベルからしたらハイレベルにある作品で、革新的ですらある取り組みと感じる。それはもう音もそうだけど単にピーター・ガブリエルの超絶個性的な歌い方とメランコリックメロディセンスが大きい。フィル・コリンズ以外のバンドメンバーが後の全盛期を支えるメンツで既に構成されているので、彼らのセンスの源泉が既に発揮されているという意味では実に多様で多彩なアプローチを聴けるし、さすがな面が大きい。この時点でも既にスキが無く良く練られている。どこか牧歌的でフォーキーな曲もあればピーガブ節バリバリもあるけど、これはこれでひとつの完成されたアルバムの世界観を味わえるのは確かだ。自分的にはこのヘンの方も好み。

 後のアンソニー・フィリップスやピーガブのソロアルバムで開花する彼らのセンスは根本的にここから変わってない。特にアンソニー・フィリップスのアコギへの取り組みは一貫してこのままだ。それがジェネシスの牧歌的側面で叙情性のひとつ。トニー・バンクス然りだけど、あのフワフワ感は既に味わえる。ただ、まだアート・ロックへのチャレンジ感が大きいのでカラフルな音色が揃っているアルバム。ジャケットの黒一色とは裏腹なカラフル感が味わえる事を思うとこのジャケットのセンスは悩ましい。もっとカラフル感を訴えるアートワークが良かったのではと余計な事まで思う。

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