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Paul Rodgers #1

フリー空中分解後には即Peaceを組みながらも瞬間的に解体、その後Free、Bad Companyの活躍を経てJimmy PageとのThe Firmまでがバンド活動。その後はソロ活動中心でQueenとの合体劇は衝撃的だった。

Peace - Peace (1970)

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 ロックの世界も裏話や逸話、小話。知ってると色々な事柄が繋がって面白い。新しいバンド結成の裏話もインタビューで一緒にツアーやったことがあって知り合って、次のメンバーを探す時に声掛けたとかよくあるけど、それはこの頃のツアーの時の話だろう、と夢膨らむ想像が出来る。想像でなく、そこだな、との確信だけど。結局人繋がりでメンバー固めていくのも多かった時代だし、ミュージシャンだからセンスで合うか合わないか測るし、だからそんな小話は結構アンテナ広く漁ってた。

 ポール・ロジャースがフリーの空中分解後に同じアパートにいたKilling FloorのStuart McDonaldとそれこそ以前から知り合いだったベテランドラマーのMick Underwoodと一緒にPeaceを組んだのは割と知られた事実。ギタリスト不在なので、ポール・ロジャースが兼任していたものの、候補として上がってたのがGinhouseのGeoff Sharkeyだった。そこまで話が進む前にFree再編成となったために中途半端に解体された酷いバンド。ところがFreeがビッグネームだったので、ポール・ロジャースが新たに組んだバンドの注目度は高く、シングルもアルバムもリリースしていないのにBBCへ出演したり、Mott The Hoopleの前座でツアー周ったりと活動は意欲的だった。冒頭の話で言えばこのヘンでポール・ロジャースはミック・ラルフスを知っただろうと思う。バドカン結成はこの人脈かなと。その後、一緒にアパートにいたStuart McDonaldはフリーのサイモン・カークの元々のバンドメイトだったので、見事に全てが繋がる狭い人脈と気心知れたメンツのバンド結成だった話。

 この短命なバンドでも期待度が高かった事を証明するようにいくつかの音源がリリースされた。フリーの活動集大成の中に紛れてしまうのであまり注目を浴びないけど、実はPeaceとしてのソースだけでそれなりのアイテムになるはず。Freeの編集盤「FREE STORY」には「Lady」が、ボックスセット「Songs of Yesterday」には「Like Water」と「Zero BC」がスタジオ録音ソースで入ってて、これは上記のメンツによる録音だからフリーは実際関係なく、明らかにPeaceのソース。それにBBC音源は「Heartbreaker」「Seven Angels」とフリーの後期の曲と「Like Water」の3曲が残ってるが、きちんとリリースされていない。ちなみにここでのドラムはミック・アンダーウッドだからサイモン・カークとは全然違ってちょいハネで軽快なドラミングがなかなか心地良い。

 その実6曲くらいの音源とMott The Hoopleの前座のライブソースがあればとても貴重なCDがリリース出来ると思うけど出てこない。ミック・アンダーウッドのインタビューからするとほとんどがフリーの「Hearbreaker」で曲が使われている話だけど、自分たちのソースも録音していたからアイランドレーベルにはあるはずらしい。聴いてみたい。

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