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Jimi Hendrix #1

Jimi Hendrix - Are You Experienced? (1967)

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 ファーストアルバムによる衝撃はこの人を於いて他にない。全世界的に衝撃を与えたジミ・ヘンドリックスのファーストアルバムはロック史において最重要作品だ。

 時代は1967年、まだ世の中がロック慣れしていない頃にアメリカからイギリスに渡ってイギリスのムーブメントの中に放り込まれて、ありとあらゆるギタリスト達の自信を木っ端微塵にするほどの衝撃的なギタープレイヤーで、ビデオを見ると恐ろしいパフォーマンスを繰り広げている。有名なのは「モンタレー・ポップ・フェスティバル」の燃えるギター。その前に演奏していたザ・フーが全ての楽器を破壊するのは有名だったのでジミはそれを超えるパフォーマンスが必要と考えた挙げ句、ジッポオイルをギターにかけて燃やしてから破壊した。見ていると恍惚としてしまうから凄い。

 そんなジミにも初々しいデビューアルバムがあったけど、これがベスト盤と思うくらい素晴らしい曲ばかり収録してた。「Purple Haze」の超カッコ良いリフに打ちのめされ、スタンダード曲「Hey Joe」のギターソロの一音で脳髄に衝撃を受け、「I Don't Live Today」でバンドアンサンブルをとことん知らされて、「The Wind Cries Mary」の乾いたストラトサウンドを聴いて涙をそそる。「Fire」では全てが爆発してしまうほどの聴いた事のないロックを体感して「Foxey Lady」でギターと交わっている艶めかしい色気を堪能し、「Are You Experienced?」で全てを統括して終了する。他にもこれぞ究極のロックブルースナンバーとも言える短すぎる「Red House」でジミの魂が伝わってくる。

 来年1月にまた新しくCDがリリースされるそうで、何がオリジナルか忘れがちです。どれでも良いけど多様にリリースされているCDではボーナストラックがいっぱい付いていてお得品ばかり。ただ、ジミが意図したオリジナル作品の意味でイギリスオリジナル盤は重要です。もっとも彼の場合は純真無垢過ぎてビジネス面ではかなり意味不明の契約事項ばかりで、海賊盤紛いのCDが多数リリースされている。ファンにとっては嬉しい悲鳴も皮肉な話。最近は統一されたが、その分何でもオフィシャルでリリースされている。

 ジミの驚異的なギターセンスと爆発的なエネルギーがパッケージされた「Are You Experienced?」は彼の魂が込められた素晴らしきアルバム。あまりクローズアップされないが、ミッチ・ミッチェルのドラムセンスもハンパじゃなく凄い。ジミのフレーズにピッタリくっついたノエル・レディングのベースも見事。普通のバンドにいたら目立った人達だったのにフロントがジミなので単なるバックメンバーになったけど、かなり良い「バンド」です。

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