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Michael Bloomfield

Mike Bloomfield - Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues (1964)

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 1964年頃、アメリカでもブルースを追求する白人が数人いて、顕著なのはマイク・ブルームフィールドとポール・バターフィールドだ。こちらは本場のブルースを生でそのまま吸収してセッションしていたツワモノ達で、英国のブルース好きなロック小僧達とは全くアプローチの異なるブルースの世界。マイク・ブルームフィールドを初めて聴いてから30年近く経過するが、今でも凄いと思う瞬間が多くて、聴く度に発見のある人。そのくせ、飽きるのでハマり切れない側面も持つが、今回は編集盤ながらも実に貴重なセッションを中心としているのでほぼオリジナル盤の位置付けで聴いている「Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues」。

 1964〜65年頃にジョン・ハモンドが気に入っていたマイク・ブルームフィールドにちょいとセッションレコーディングしないかと声掛けしたようだ。その場にいたのは有名なブルースメン達だから如何に期待され、また仕組まれたセッションだったか。これだけ自分の曲を歌詞付きで作り上げて録音しているから本人はきちんと作っていたが。デビューするためのデモレコーディングの位置付けかも。それらが冒頭5曲に入っていて、伸び伸びとギター弾いて歌ってる。それも本場のアメリカン・ブルースからややオリジナリティを打ち出したホワイトブルースな世界観も出ている楽曲ばかり。ギターもとにかく本物を血肉にして、白人フィルターを通して出しているギタープレイで、当時唯一無二の存在だったはず。クラプトンとはまるで異なるアプローチとプレイで、明らかに本物志向。歌もギターも王道。そんな曲ばかりで、リリースされた時に聴いて驚いた。これで64年、65年の録音とは、音もまるでジャズのアルバムみたいに良いし。当時の英国はモノラルや音悪い2トラ録音が当たり前だったのに、同じ時代にこれほどに完全なステレオレコーディングの見事なバランスで録音されてるとは、もう明らかに何かが違う。

 こんなギター弾きたい。どうやったら弾けるのか。まず音をコピーするところからだけど、それすらもままならない。こういう味付けのフレーズのプレイを学ばないと出来ないし、なかなかこんなの出せないし、30年近く聴いてても手の届かないギタリストです。ブルースとロックの架け橋からギタリストの在り方まで駆け抜けた天才マイク・ブルームフィールド。この「Don't Say That I Ain't Your Man: Essential Blues」は手始めのベスト盤としてはかなりクォリティ高い。

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