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UK 60-70s Blues Rock #2

John Mayall - Crusade (1967)

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 60年代のレコードの音くらいなら普通に聴いてるから取り立てて聴きにくいとも思わないし、古臭いとは思うけど慣れてるからそれよりも先に音楽を聴いている。封じ込められた空気感を聞いている方が大きい。でも、ふとそのヘンを聴いてて、こんな古臭くて聴きにくい音は今の時代に好んで聴いていく人間の方が少ないと妙に納得した。Led Zeppelinの話でも音が古くてダメな人もいるし。ただ、これが現代的な音なら良いかとこれまた何かを失くすし、時代の空気感な気がしている。Freeのベスト盤をボブ・クリアマウンテンがリマスターした時に完全に90年代の音になっててフリーに聴こえなかったと事例もあったし。

 1967年にリリースされた古臭い音のJohn Mayallの「Crusade」。ご存知有名ギタリストを何人も排出しているJohn Mayallだが、この時点で既にクラプトン、ピーター・グリーンとも巣立ってしまったので、今度発掘してきたのがミック・テイラー。これもストーンズ行くのんで、哀れな人かもしれないが巨匠と言えば巨匠だ。本人は懐深い人だったのか、食ってくにはちょっと文句も言いたくなるだろう。そんな台所事情はともかく、「Crusade」はミック・テイラー参加のまだ若かりし頃に巨匠に拾ってもらった多分初のレコーディングだけど、気合満点のギターを弾いて期待もできる。もちろんその通りに弾き倒しているし、後のミック・テイラーのプレイを知ってる人にはこの時点で既にああいうギタープレイが聴ける。

 ホワイトブルースも、まだギターが主役の時代じゃなくて、ブルースロックバンド程度の頃はこんな感じだ。ストーンズもそうだし。改めて思ったけど、自分が好きなのはこういうホワイトブルースの名盤という類じゃなくてギター弾きまくりが好きらしい。物足りなさを感じてしまうから。でもそればかりでは飽きるから難しい。コレ聴いてると良いかもと思えてくる一方、別にコレ聴かなくてもいいかとも思う。ミック・テイラーのプレイを楽しむのと、アルバムもホワイトブルースの王道でサックスもオルガンもハープも揃った教科書的な作品。ちなみにドラムはキーフ・ハートレイ。やっぱこの人は才能を見出す学校だ。

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