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Bad Company

ブルース・ロックから脱してアメリカ市場を狙ったポール・ロジャーズが組んだバンド、Bad Companyは結果的に大成功を収めて21世紀に入ってからも単発的に再結成して活動している。

Bad Company - Bad Company (1974)

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 スワンソングレーベルでツェッペリン以外の最大のバンドといえばバッドカンパニー。説明する必要はないが、当時スーパーバンドとして話題となったように各メンバーのキャリアがそれを物語ってます。とは云え結局ポール・ロジャース主導の音楽性がベースとなったバンドだった。今はクイーンとジョイントで活動をしているポール・ロジャースはクイーンがデビューしてまだヨチヨチ歩きしている1974年に既にバドカンで華麗に全米デビューを果たしていたキャリアの差があって、今のクイーンとのユニットの捉えられ方が世間的に異なっててもこの事実は変わらない。バドカンのサウンドは結構キャッチーなサウンドを最初から狙っていた部分もあり、ミック・ラルフスの在籍していたモット・ザ・フープル、ボズ・バレルの在籍していたキング・クリムゾン、ポールとサイモン・カークの在籍していたフリーのどのバンドとも音楽的共通点を感じられないところが面白い。もっともフリーはアンディ・フレイザーの楽曲が多かったしモットはイアン・ハンターのバンドだったが。

 バドカンと云えばファーストアルバム。後追い世代は当時の話題性は分からないが、それでもこのアルバムのインパクトは他の作品よりも際立ち、洗練されて、気合が入ってる。セカンドアルバム「ストレート・シューター」も同じようなスタイルで作られているし、以降も音楽的発展が特に著しくもないので、そういう意味では2002年のベスト盤リリース時における再結成バドカンの新録曲ですら以前と変わらないサウンドを作り上げていたから、これがバドカンだ。ラモーンズほど単調ではないが、これはバドカンと分かるサウンドを確立している。ミック・ラルフスもモット時代で抑圧されていたギタリスト的側面が開放された感が強いし、ボズ・バレルもクリムゾンの複雑な曲構成から開放されたロックンロールの楽しさを満喫しているように聞こえるし、ポールも自身がリーダーとなったバンドを満喫していたようなので、充実したアルバムリリースが継続していた。 

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