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Norwegian 嬢 Metal #2

Sirenia - Nine Destinies and a Downfall (2007)

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 シレニアのアルバム「Nine Destinies and a Downfall」。2007年にリリースされたフルアルバム3枚目で、トリスタニアのメンバーが脱退して出来上がったバンド。そもそも1st「At Sixes and Sevens」や2nd「An Elixir for Existence」ではかなりデスヴォイスも使われていたシンフォニック度の高いバンドだが、このアルバム「Nine Destinies and a Downfall」では、もっとソフトでメロディスでモニカ嬢の甘い声が全面に出ていて素晴らしくも美しい楽曲が並ぶ。確かにメタル的なバックのサウンドで歪んでいるし、鍵盤も鳴ってて重い音作りだけど、あまりメタルに聞こえない。女性歌モノでドラマティックなスケールの大きいオーケストレーションを聴いている感覚に陥る。メロディと歌声がしっかりしているからと思うけど、非常に聴きやすい。もちろんテクはしっかりしているので聴かせるのも上手い。

 アルバムジャケも北欧的でノルウェーのバンド。この手のバンドで何枚もCD出せる時点で実力もあるし認められていると思う。しかしノルウェーらしい音。普通に出てくる哀愁のメロディが日本人好み。それとギタリストも泣きを弾けるプレイが良い。

Sirenia - The 13th Floor (2009)

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 ノルウェー産ゴシックメタルバンドにシンフォニックさが加わったシレニアの4枚目の作品「The 13th Floor」。これまでの北欧的アルバムジャケットから一新されて如何にもゴシック的なアルバムジャケット。今度もまたボーカルが変わって、かなり美人さんで重要な要素です。そして歌もファンを捉えて離さない、可愛らしい声を持っているので良い感じ。更にアルバム楽曲群がシンフォニックな世界を広げてて、歌モノにも近い感覚で聴きやすいし、コーラスの使い方やオーケストレーションの攻め方も洗練されてレベル高いです。だから初心者からマニアまで取り付きやすいレベルの求めてた世界。ただし、楽曲のインパクトが弱いか。それでも何回か聴けば十分に解消されるレベル。

 正統派ゴシックメタルらしい音。ヨーロッパ的な美学をモチーフとした美しさを基調としててほしい。速く重くならずに、あくまでもストイックに耽美的に且つ取っ付きやすい世界こそがゴシックメタル。シレニアはその世界観を示してる気がする。これだけ聴いてると好みがうるさくなってくる自分がいる。

 リリースされたばかりの新作ながら名盤的な金字塔と言えるシレニアの「The 13th Floor」はメジャーどころを聴いた後に飛びついてみる一枚です。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪