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70s German Hard Rock #3 【K-W】

Kin Ping Meh - No.2 (1972)

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 最近の中国を見ると4000年の歴史を持つ国がそれか、と思うが、そこは歴史が物語っているからしょうがない。しかし中国と言えば三国志や水滸伝などが有名で、そのレベルのひとつに金瓶梅なるエロ本があるらしい。全く疎い自分は漠然としか解釈していないし、それすらも人の譲り受け、受け売りなだけで大した事は言えない。ネット時代の今こそ知識を貪欲に吸収すべきだが、なかなか手が出ない。

 1971年にドイツからデビューしたKin Ping Mehのバンド名の由来がそのエロ本からだ。ロックの世界だからそういう流用はある話。単なるバンド名でしかないが、ドイツのHRバンドを漁っているとKin Ping Mehはよく出てくる。

 今回はセカンド・アルバム「No.2」で、冒頭から軽快でほんわかした雰囲気で、歌が入ってもそのまま、ドラムが入って一気にハードロックかと思えばそれほどでもなく、インパクトのあるハードロックでもない。妙に乾いて軽い、乾燥した音が出てくる。ドイツにはない音で、英国風だけど、もっとアメリカ的。湿ってなくて軽いの分クセもなく、普通に世界的に聴けるバンドの音だからB級にはならない。「Come Together」のカバーも、ロックミュージシャンらしくブルースタッチに仕上げて、しかもアルバムの中で浮いた感じがしない馴染み具合。バンド名を普通にしたらと思うくらい洗練された音を出してる。

 欠点はさらりと聴けてしまう点と、これなら英国の本物聴いてしまうから、曲によっては面白いけど全体的にはB級臭さがないから物足りない。それだけセンスがあって70年代後期まで活動していたし、アルバムも多数出ている。ただ、聴くとヘヴィーな側面が出てきて大曲「Liveable Ways」が素晴らしい。まだ「No.2」しか聴いてないけど、アメリカ寄りに進んだようだ。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪