Nightwish #1

Nightwish - Angels Fall First (1997)

　Nightwishが新作をレコーディング始める時期になったと以前ツォーマスが言っていた気がするが、早くフロール嬢の歌声による強烈な新作アルバムを聴いてみたい。そんな事を思い出したので、こんな隙間でもない限り取り上げないアルバムを聴いてみようとライブラリ漁り。

　Nightwishの1997年のファーストアルバム「Angels Fall First」。元々デモテープに音を被せてアルバムに仕上げたらしく低コスト且つまだ売れるか微妙なファーストアルバム。Nightwish好きなファンからも全然評価を得られない作品。他人はともかく自分は、確かに全然聴かないアルバムなので、ここできちんと聴いてみよう。90年末にフィンランドから出て来たバンドで当時は評判良かった。多分ターヤ嬢がメタルを歌っていた話題性に尽きる。まだ嬢メタル文化が一般的では無かった頃だし。そこに楽曲的にかなりパワーメタル風な作品からフィンランド土着的な楽曲まで散りばめたツォーマスの非凡な才能を聴けるが、惜しいのは男性ボーカルのパワーの無さ。

　聴きながら思うけど、まだ方向性は出てないし、普通にメタルバンドの要素が強くてメタリックなギターが目立つ。リフが強烈でもなく、果たしてどこに向かうか見えてないし、ターヤの歌声も後の堂々たるオペラティック唱法まで仕上がっていない。ただ、ライブではこの時期も目立ったと思う。バンドメンバーは今でもそのまま、ベースだけがクレジット上は不在だけど音は入ってる。ゴシック調と言われるが、シンフォニックかパワーメタルか、フックが強い曲があまりないにも関わらず何故かアルバムの楽曲は良作なのかサラリと聴けてしまう。好みの問題か。悪くないアルバムと言いたい作品で、能力の高さがにじみ出ている。今ならもっとシンフォニックに仕上げられるだろう。そうやって聴くとツォーマスも天才ではなく努力家と思ったりする。

ANGELS FALL FIRST