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Gentle Giant

Gentle Giant - Gentle Giant (1970)

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 今ロックを聴き始めた若者達レベルでプログレは身近にあるのか。昔々の70年代はDeep PurpleやLed Zeppelinと同列でPink FloydやGenesis、Yesがあって、プログレを意識もしないでロックとしては身近だったと聞く。今の時代は当然そんなことないと思いつつも、一方ではYouTubeで探すと2次元的に今のバンドと同列にプログレバンドも出て来る。だから聴く環境は昔よりも全然身近になっている。

 時間がゆっくり取れないとじっくり聴けない音楽のひとつにGentle Giantがある。折角なので久々にじっくりとゆっくりと聴いてみた「Gentle Giant」、1970年のファーストアルバム。ファーストアルバムにしてこの完成度の高さと構築美の高さ。ロックの次元を超えているのは確かで、その分ロック的面白味には欠けるし、プログレバンド的な華やかさも見当たらない。故に日本ではあまり知られていなかったし、多分今でもリスナーを選ぶバンド。今回聴いててもロック的には面白くない。ただ、音楽集団として、実験精神的な部分も含めて本当のプログレッシブさで言えばものすごいバンドで聴いてると凄いのが先に来る。好みではないけど、やってる事は唯一無二の世界を既に実現してる。難解で受けにくいけど、テクニカルな実験音楽が好みならハマるだろう。

 簡単に言ってしまうと歌とギターの音が苦手だと思った。楽曲の作りや展開はプログレ的で好きだし、迫力あるトコやクールに攻め立てて来るトコは面白い。静と動の世界も好きだし苦手な理由もない。ただ、歌が苦手でギターもCamel的な音で好みではないのが大きい。でも多分、聴いてると凄くハマっていく。どうやって作るのかが不思議で、この音色はどこから思いつくのか多様な音が散りばめられてる。デビュー作だから予算はなくてバンドの楽器の音だけのハズながら、これだけ綺羅びやかに聴かせる音色とは?彼らはロックをやってる意識はなく、音楽を作り上げる意識と思う。そこにロックファンが飛びついた構図。とても牧歌的な楽曲もあるし、正しく英国からしか出てこないバンドだからきちんと制覇しないと。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪