(初投稿)大学生、今みんなつらいのでは。

本来なら病院実習をする時期にもかかわらず、家に引きこもり、ブルーライトを目に浴びせながら、実習とは名ばかりの普通の講義を受け続ける。そんな日々を送る中で失ったものは実習の機会だけではない。それは、「社会とのつながり」だ。それを証明すべく私の一日を紹介しようと思う。

  8:30 洗顔、歯磨き、朝飯(よくわからないパン×2、味のしないヨーグルト、コーヒー)
  9:00 心臓外科講義その1
10:45 ジムでトレーニング(胸トレ)
12:00 帰宅、シャワー、昼飯(よくわからないパン×5、残り物シチュー)
13:00 心臓外科講義その2
15:30 海で焚火
19:00 スーパー
20:00 帰宅、夕飯(米、胸肉の照り焼き、みそ汁)
21:00 風呂、洗濯
22:00 今

改めて見返すと、至って平凡で突っ込みどころのない一日だと感じる。現在配属されている科が非常にスマートに講義を終わってくださる科であるが故にこんなにも生ぬるい一日となってしまっているが、まあ大体こんなものである。変化するとすれば、講義時間が長くなるかもしれないことと、海で焚火ではなくカフェで勉強となることもあるくらいであろう。

とにかく、誰とも話していない。なんの稼ぎも得ていない。社会の一部として、歯車として機能していないのだ。

そもそも学生、特に大学生は元来、「社会とのつながり」を感じにくい立場にいると思う。

大学生になると、人によるが一人暮らしをはじめ、中途半端に自立できるようになり、自由度が増える。この特徴をひっさげて日々を過ごしていても「社会とのつながり」を感じることはできないだろう。大学生が「社会との(略)」を感じるには、わかりやすい例としては、例えばバイトをしたり、サークルや部活に入ったりするなどがある。かといってそういった活動をしたところで、社会人の方々が日々を懸命に働くことで得られるであろう「社会(略)」には到底及ばない。貢献度が違うからだ。時には実習や研究などの際に、実際に働いている方々とコラボすることで「(略)」を大いに感じることはできるかもしれないが。

とにかく、自分がいなくたって世界は難なく回り続けるだろうなという疎外感・虚無感を感じやすいのである。

しかし、この生活をうらやましいと思う人はごまんといるだろう。それはそうだ。世間の一般的な出社時間に少し遅れて目を覚まし、昼休みにトレーニングなんかしちゃって、挙句の果てには焚火である。こんなにも楽なことはない。私だって、できることならずっと学生をしていたいと割と最近まで思っていた。

ただ、こんな生活がずっと続くとどうだろうか。実習に参加できないから、社会とのつながりを感じられない。社会とのつながりがないから、自己肯定感は下がり、人と話さないから、コミュニケーション能力は落ち、自堕落な生活になったって全く問題ないから、少し気を抜くとすぐに自堕落な生活になってしまう。

新型コロナウイルスが世間を賑わせ早二年。こんな生活が続きそうになりながらも、新しい生活様式とかいう言葉にあやかってなんとかバイトやらなんやらできていたため、ギリギリのところで社会からの疎外感を感じずに済んでいたが、本来なら実習をするはずなのに実習ができない、だが、いつ実習を再開できるかわからないという立場になると、今まで以上にコロナ対策を持続的に強化しなければならないわけで、いよいよがんじがらめの孤立生活を送らざるを得ないことになってしまったのである。オミクロン株とかいうよくわからない名前の変異株が出現したという事実も、その状況を助長することになったのは言うまでもない。次はイプシロン株とかなのかなと思うほかない。

打破しようにもどうしようもないこの状況で頭を抱えていた時にした友人との電話で、話に上がったのがこのnoteというアプリである。ついでにtwitterもやるといいと教えてくれた。

強弱はあれど、誰しも「発信したい」という欲望は抱くものだと思う。自分の考えていることや楽しかったこと、悩んでいることなどを他人に話したい、共感してもらいたい、というのは誰しも思うもので、そしてそれが、ここでいう「発信したい」という欲望の正体だからだ。
例にもれず自分もかねてより発信欲があったのだが、今一歩踏み出せずにいた。それは、私がSNSが不得手ということに加え、こういった不特定多数を相手にするのは少し怖いというのと、周りの目が気になるというのもあった。

しかし、医師として働き始めたら、発信欲というのが日々の忙しさややりがいに埋もれて、薄れていくような気がするのである。そして何より、今私がこのnoteで得ようとしている、「社会とのつながり」など、医師になってしまえば感じざるを得なくなるだろう。そうなってしまったら最後、私は一生をなんの発信もすることなく終えてしまうだろう。

そしてなによりも、私は文章を書くのが好きだ。
頭を整理したい時、嫌なことがあった時、日常の些細なことに魅力を見出せた時、それを文章にして、自分の経験として昇華させることができた感覚がとても気持ちいい。

 学生であり、時間もあり、鬱憤もたまっている今がチャンスなのでは?

そう思って始めるに至ったわけである。

                         __国立医学生の日常

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