206分の大作「JFK」をとうとう観た!!

お久しぶりです。私は子どもの頃から映画が大好きなんですが、最近オリバー•ストーン監督の「JFK」という映画を見て大興奮してしまったので、感想というか備忘録的なものを書いてみようと思います。

さて1991年に公開されたこの映画、何と3時間越えの超大作です。映画自体は189分、ビデオ版はさらに長く206分もあります…なので、興味はあってもなかなか腰が上がらず数年経過、、今回3日かけてやっと観終わりました。でも中弛みなんて一切なくて、終始食い入るように観てました。

1963年に起きたジョン•F•ケネディ暗殺事件の真相を追求し続けた実在の地方検事、ジム•ギャリソンの物語です。主人公のジムを演じるのはケヴィン•コスナー、犯人とされるオズワルドはゲイリー•オールドマン、そしてジムが起こした裁判(ケネディ暗殺事件に関する唯一の裁判)で被告人となったクレー•ショーをトミー•リー•ジョーンズが演じています。
いやぁ、ゲイリーなんてもうオズワルド本人かと思うぐらいそっくり!さすがの怪演でございます。

ケネディ大統領暗殺に関しては事件当初はオズワルドの単独犯説が圧倒的だったのですが諸説あって、その中でもジムの持論ではジョンソン副大統領、軍部、CIA、FBIを巻き込んだ大掛かりなクーデターだったと結論づけています。もちろんマフィアやカストロも無関係ではない。いわゆる陰謀論ですよね。

まぁ映画を鵜呑みにするのもアレだけど、この陰謀論にはかなり説得力があります。少なくともオズワルド単独で大統領を暗殺するのは不可能なのは確か。
でも、事実を裏付ける証拠なんて残ってないし、残してないんですよねきっと。だからそれが客観的な事実として証明される日は来ないんだと思う。
でも、裁判には負けてしまったものの、自身の危険を顧みずに真相を追求しようとしたジムのような人のおかげで今のアメリカ国民の6割はオズワルド単独犯説には否定的な意見を持つまでになったともいえる。つまり、国民が体制に疑いの目を持つことができるようになった、これは大きな功績です。

こういう話を聞くと思うんですよ、私たちが血眼になって何かを知ろうとしても、到底無理だよなって。司法や行政や警察が結託してしまったら、もう終わりなんですよ。だからこそせめて司法だけは法の番人でいてもらわねばならないのだけど、実際はそうではない。私たちは事実の前で圧倒的に無力なのです。証拠も根拠もないヤジを飛ばすのも無意味。だから私たちに残されているのは想像することだけなんだと思います。

自分は無知で無力な人間であることを自覚して、それでも想像することをやめない。自分なりの結論を出して、国をどうこうしようとかじゃなくて、自分の半径5mの暮らしに生かしていくしかないんじゃないかなと。

今はSNSがあって、昔より国民の声がお上の人たちにも届きやすくなったし、気軽に発信もできるけど、でもね、それって結局自分が安全な場所にいるからできることだと思うんです。

本作で証人になることを拒んだ人たちを責められるか?自分なら命の危険を冒してまで真実を語れる勇気があったか?って話です。匿名ならできる、でも匿名の発言は法の元では無力なんですよね…

昨年「新聞記者」という邦画を観た時も背筋が凍りましたが、「JFK」は話のスケールが大きすぎて見終わって半日経ってもまだぞわぞわしています。

200分オーバーという時間を割いてでも観る価値のある作品。素晴らしかったです。


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