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小説×マスク×音楽のコラボ「夏風」


EATALK MASKさんの「マスク文庫」企画に、音楽で携わらせていただくこととなりました!

今日は、その記念すべき1作品目の紹介と、制作の背景や経緯を記したいと思います。

※音楽コラボは1作目。マスク文庫自体は21/08/13現在、9作目です



1 EATALK MASKとは

以下、EATALK MASKさんの記事より引用いたします。

 食事中に手軽に使える、簡易マスクが作れないかなぁ...と思い、約束当日の朝に画用紙でササっと作ったのでした。

 友人たちにはわりと好評だったこのマスク。しかし、「自分がお金を出して買うかと言われたら、買わないかも。お店に置いてあったら使いたい。」との意見が大半。この意見から、飲食店向けマスクとして企画していくことになります。

 最初のEATALK MASKの納品が済み、評判も上々だよ〜、という声を嬉しく聞いた矢先、友人のお店は休業を余儀なくされます。そこで、誰もがダウンロードして印刷できる、紙製マスクケースという方法を考えます。そうなると、問題になってくるのはビジュアルデザインで。

 私の本業はイラストレーター なので、とりあえず色々なデザインを作ってアップしてみようかな、とダウンロードデータを作り出します。

 でも、イラストを入れるだけじゃそんなに面白くないんですよ。
 ここから、「読める」という価値を追加したいと考えるようになります。

「読む」という価値を追加したい。そう考えてから、小説みたいなデザインだったら面白いじゃん! と思いつくまではすぐでした。本、好きなので。

(中略含、引用の都合上一部表記を編集させていただいた箇所があります)


食事中に手軽に使えるマスクに、小説を載せる。黙食の時代になんてすばらしいアイデアなのだろうと思いました。

より詳細な内容についてはぜひEATALK MASKさんの記事をご覧ください。



2 お声がけいただいた経緯

某日、EATALK MASKさんから僕の記事にコメントを頂いたのがきっかけでした。


この時点では、マスク文庫のお話までは把握していませんでした。そうは言え、お声がけいただいたことがそもそも嬉しかったし、何より「文章・イラストに音をプラスしたシリーズの制作」というワードが面白そう過ぎたので、やりましょうと即答しました!

その後詳しく聞いた話によると、マスク文庫の制作が10作品を迎えるタイミングで、新しい試みとして音楽を取り入れたいということでした。小説とコラボした曲を制作し、マスクケースに印刷したQRコードを読み込むことでその曲が流れる。マスクケース自体も、その小説や音楽とコラボしてイメージに合うデザインにすると。

作品については、何かテーマを訴えかけるようなものではなくあくまでも個々のクリエイターにお任せ、ということでした。


めちゃくちゃ面白そうだし、何より発想がとても素敵!

もちろんのこと二つ返事でOKしました!




3 七田さん小説 『拝啓』

打ち合わせを進める中で、今回は「小説⇒音楽⇒デザイン」の順番で制作することになり、僕は第二走者ということになりました。お題は、第一走者の七田苗子さんが書く小説に委ねられているので、どんな作品になるのか楽しみにしながら待っておりました。

少し脱線しますが、七田さんとは僕が本格的にnoteを始めた2021年の2月からお知り合いで、仲良くしていただいています。「記事から曲」企画のきっかけとなったコラボをお声がけしてくださったのも七田さんでした。そんな七田さんとこうしてもう一度コラボ出来ること大変うれしいです。noteの超大先輩です。


そして去る8/7(土)のこと。七田さんの小説が更新されました。タイトルは「拝啓」。

僕はこの小説をもとにして曲を設計したので、この後の解説は小説を読んでいないとピンとこないと思います。なので、、、読んでください。




4 制作にあたって

小説から曲を書くにあたって、最初に書き起こした設計図を残しておいたので、載せますね。
走り書きの雑な字ですみません。

※えんぴつが薄くて読みにくいかもしれません


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順番に読んでいった素直な感想から曲を作ることを意識しました。


まず、主人公が「木の下」にいる、風の音やコーヒーの香りといった自然豊かな情景から、アコースティックな曲にすることにします。

次に気になったのが、「木の下」にいる「僕」と、「雲の上」にいる「君」の対比。物理的な高低の対比が印象的だったので、音楽的にも高音と低音の対比を取り入れようと思いました。

またもう一つのポイントは、主人公の強烈な想い。
「一度でいいから」「もう一度だけ」「お願いだから」「恋しくて堪らないんだ」といった強い言葉がたくさん並んでおり、とにかく「君」に会いたいという切ない思いが痛いほど伝わってきました。
これを表すため、サビではあえて同じメロディを何度も繰り返し、また半音転調することでせつなさを強調できるように工夫しました



そうやって生まれた「夏風」。


風というものは、音も香りも含まれる感覚的な存在だと思います。

聴覚や嗅覚などの感覚を意識的に取り入れたという七田さんの小説からイメージした曲のタイトルとして、やはり「風」はそういった意味でも取り入れたく。

じゃあ、いつの風なの?って話ですが、そこは文中にある「風が半分夏の香りになってる」「もうすぐ君の季節が来る」という表現から、「君」のテーマなのであろう「夏」の風としました。


七田さんの小説の背景や解説についてはこちらの記事に掲載されていますので、ぜひ流れで合わせて読んでみてください!



5 そしてアンカーへ

七田さんから受け取ったバトン。次は、EATALK MASK主催のミムコさんへ繋ぎます。
実際にマスクケースのデザインをする段階ですね。

どんな作品に仕上がるのか、今から楽しみでしょうがないです!

多くの人に楽しんでもらえることを楽しみにお待ちしております(^^)


EATALK MASKさんのプロフィールはこちら




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おまけ

この記事もそうですが、ミムコさんとよく「制作の過程を共有する」みたいな話をしていて。
今回はその一環として、最初に録音したデモを残しておきました。普段はしないので、ちょっとレアです。

もしよければ、どうぞ!


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