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【#才の祭】 クリスマスの想い出に歌詞を書いてみませんか?


こんにちは!「才の祭」音楽担当のジユンペイです。普段はギタリストとして活動していて、楽曲提供やバンドのサポートなどしています。noteでは「記事から曲」などで皆さんの記事とコラボして楽曲を制作したりしています。



さて、絶賛展開中の企画「才の祭」ですが、ついに歌詞の募集が始まります!

経験の有無は不問。経験者の方はもちろん、初心者の方もぜひ気軽にご応募ください。

初心者の方にとってはいきなり歌詞を書くといっても難しいと思うので、書き方の簡単な解説とサンプルを運営で用意しました。必要な方は各自ご参照ください!


▼「才の祭」企画概要はこちら




歌詞において重要なこと


歌詞とは、音楽(=メロディ)と詞(=コトバ)の融合芸術です。そのため、音の数(=音符の数)とコトバの数(=文字数)が呼応していることが非常に重要です。

また、歌は目で読むものではなく耳で聴くものなので、何も見なくてもコトバの内容がある程度理解できる必要があります。そういった意味でも、音数と文字数が一致していたほうが理解しやすく伝わりやすいものです。


歌詞の書き方

歌詞の書き方には大きく二種類あります。予め用意されたメロディに合わせて歌詞を考えるパターン(=曲先)と、先に歌詞を書いて後からメロディをつけていくパターン(=詞先)です。

「才の祭」企画では小説をもとに歌詞を書いて頂きそのあとに作曲しますので、「詞先」にあたります。

作詞にあたって文字数へのこだわりが重要であることは先に述べた通りです。曲先の場合は音の数がすでに決まっているので比較的書きやすいですが、何もないところから「歌詞」をいきなり書く詞先の作詞はハードルが高いと思います。

この記事ではそんな初心者の方のために、作詞のヒントとなるアイデアや考え方をごく簡単に紹介したいと思います。



サンプル

早速ですが、実際にサンプルの歌詞を用いて、作詞について考えてみましょう。

以下のサンプル歌詞はこの記事用に用意したもので、「才の祭」企画内容とは無関係な内容です。


「ビール」

なんだかなぁ。 パッとしないどんよりと曇り空
せっかくの太陽が届かない

毎日はポジティヴとネガティヴの連続で
未来はいつだって面白い

ずっと悩み抱え込んでちゃ 疲れてしまうだろ
ビール飲んで忘れちゃえばいい No worries, Take it easy!


この歌詞において、上ふたつのブロックは

なんだかなぁ。(5文字) パッとしない(5文字)
どんよりと(5文字) 曇り空(5文字)
せっかくの(5文字)太陽が(5文字)届かない(5文字)

5+5+5+5
5+5+5



毎日は(5文字)ポジティヴと(5文字)
ネガティヴの(5文字) 連続で(5文字)
未来は(5文字)いつだって(5文字)面白い(5文字)

5+5+5+5
5+5+5

と、文字数の構成が同じになっています。構成が同じなので同じグループとみなしましょう。曲の中で最初に出てくる歌詞なので、このグループを仮にAとします。「A歌詞」とか、単に「A」と呼んでもいいのですが、一般的にはこれをAメロ(メロは「メロディ」の略)と言います。


続く3段目はどうでしょう。

ずっと悩み抱え込んでちゃ 疲れてしまうだろ
ビール飲んで忘れちゃえばいい No worries, Take it easy!

この部分は、

ずっと(3文字)悩み(3文字)抱え込んでちゃ(7文字) 
疲れて(4文字)しまうだろ(5文字)

ビール(3文字)飲んで(3文字)忘れちゃえばいい(7文字) 
No worries, (7文字)Take it easy!(5文字)

3+3+7 4+5
3+3+7 7+5

となっていて、Aメロとは構成が異なります。構成が違うので別な名前を付けましょう。順番でいって、Bメロと名付けます。


このように、文字数でくくられたブロックが曲中に複数出てくることになります。

そのため、歌詞を書く際に、あらかじめブロック分けの構成をイメージしたうえで取り組むと書きやすくなります



Zメロ?

ここまでの話の流れからすると、理屈の上では、Aメロ、Bメロ、Cメロ、・・・、Xメロ、Yメロ、Zメロ、・・・αメロ、βメロ、、、、というように歌詞のブロックが無数に存在することになります。

ところが実際の楽曲でXメロだのYメロだのが登場することはまずありません。多くてCメロまで、ごくまれにDメロが存在するくらいです。


これは、ブロックがたくさんありすぎると曲が難解になるためです。

冒頭で述べたように、歌は目で読むものではなく耳で聴くものなので、何も見なくてもコトバの内容がある程度理解できる必要があります。

インスト曲ならまだしも、言葉によるメッセージを携えている歌モノの楽曲では、伝わりやすさという観点からシンプルな構成が好まれる傾向にあります。


初めて歌詞を書かれるという方は、Aメロ、Bメロ、Cメロ(=サビ。これについては後述)の3つくらいのブロックを目安に考えていただくとよいと思います。



サビとは

ここまで見てきたように、曲にはAメロやBメロなど様々なブロックがありますが、その中でも有名なものがサビと呼ばれるものです。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ブロック分けの概念からすると、「サビ」という言葉が出てくるのは不自然な感じがします。Aメロ、Bメロ、Cメロ、、、、とアルファベットを追うのではないかと考えるのがむしろ自然ですよね。


実はこの「サビ」には明確な定義がなく、曲の中で最も聴かせたいパートを便宜上サビと呼んでいるにすぎません。

歌詞を書かれる方には伝えたい想いやテーマがきっとおありになることでしょう。ご自身で歌詞を書かれる際に、ここがサビです!と主張していただければ、こちらが作曲する際もそのサビの部分を盛り上げられるように制作しますので助かります。




曲の構成

曲の構成には大きく二つあります。

サビ⇒Aメロ⇒Bメロ⇒・・・と続くパターン

Aメロ⇒Bメロ⇒サビ⇒・・・と続くパターン


前者は伝えたい想いが曲の頭にくるので勢いが付きやすく、アップテンポなロックナンバーなどに多く見られます。
(例. YOASOBI / 夜に駆ける など)

いっぽう後者は、曲が進むにつれて盛り上がりサビで一気に爆発する、スローテンポなバラード曲などによく見られます。
(例. 平井堅 / 瞳をとじて など)


頭に主題をガツンと持ってくるのも、ゆったり時間をかけて盛り上げていくのも、どちらも素敵な表現だと思います。

歌詞を書かれる際に、どんな雰囲気の曲にしたいかイメージしておくと構成も作りやすいかと思います。



ワークシート

では実際に歌詞を書いてみましょう。

設計図はまずは以下のような流れで用意すると良いと思います。


主題:「         」

曲調:「アップテンポな曲 / バラード / その他」

構成:「   」⇒「   」⇒「    」
(サビの位置を決めておく)

Aメロの文字数:「  」文字

Bメロの文字数:「  」文字

サビの文字数:「   」文字

歌詞の下書き

<<サビを先にする場合>>
【サビ】


【Aメロ】


【Bメロ】


【サビ】


【Aメロ】


【Bメロ】


【サビ】


【サビ】


<<サビを後にする場合>>
【Aメロ】


【Bメロ】


【サビ】


【Aメロ】


【Bメロ】


【サビ】


【サビ】


各セクションの文字数についてですが、文字数が多いとアップテンポに、逆に文字数が少ないとスローテンポになりやすいです。

参考までに、先ほど例にとった「夜に駆ける」と「瞳を閉じて」のサビの文字数を比較してみると、「夜に駆ける」のサビの歌詞が113文字あるのに対し「瞳をとじて」は49文字です。

※歌詞は発音ベースなので、漢字を一文字でカウントしないようにご注意ください。たとえば「僕」は「ぼく」なので二文字使います。



最後に

ここで紹介したアイデアはごく簡単なものですが、参考にしていただけたら嬉しいです。

たくさんの作品と出会えることを楽しみに待っています!


ジユンペイ

みなさまの支えのおかげで今日を生きております。いつもありがとうございます。