読書紹介「ワンネスの扉」ジュリアン・シャムルワ著ーナチュラルスピリット社刊 ⑴

 この不思議なタイトルの本を、私に教えてくださったのは、現在九州にお住いの友人、広瀬尚子さんでした。彼女とは十数年前、北軽井沢で夏を過ごしていた時知り合い、以来私が大切にしている友人のひとりです。

 私は現在東京都大田区に在住、尚子さんは、福岡県門司市近郊でご主人と共に、多くの友人に恵まれ、お幸せな暮らしを送っておられます。

 ところで「ワンネスの扉」(神田神保町3-2高橋ビル2F 「ナチュラルスピリット」出版社刊)というのは、とても一口や二口では説明できない不思議な本です。本の表紙に「心に魂のスペースを開くと宇宙がやってくる」という添え書きがあり、帯には「僕たちは『人間』の体験をしている宇宙なのだ!」とあり、<「愛の宇宙」をリアルに綴った、圧巻のワンネス体験記>。という囲み記事がついています。さらに「ワンネスは脳では体験できない。ハートと全身で感じる!」と説明されています。

 つまり、そういう本です。著者はジュリアン・シャムルワという1980年生まれのフランス青年で、この本は翻訳に頼らず、ご本人が日本語を勉強されて、書かれたといい、編集者が多少手を入れられたとはいえ、読み易くこなれた文章です。しかし、読み易いというのと、理解し易いというのは、同意語ではないことを、もろに体験させられる本でもあります。

 ただ、私は昨年、インド生まれ、ハーバード大学出身の医学博士、ディ―パック・チョプラ博士の量子科学に準拠したという「宇宙のパワーと自由にアクセスする方法」という訳書も読んでいたので、両者には共通する論旨があり、漠然とながら、もしかしたら、これは人間存在の奥底の神秘的な深い真実かも、という意識を持って、読み返すことになりました。

 尚子さんは、以前からこうした精神世界に理解が深く、数十年前、山川紘矢・亜希子ご夫妻が紹介されたスコットランドのフインドホーンへのツアーの企画に参加されたころからか、と思います。以来、北軽井沢に住んでおられたときからこのツアーを自身主宰されて、何度もスコットランドの荒地を、花と野菜に溢れる菜園に作り替えたイギリス人グループの神秘の世界の実現を、まのあたりにする体験を重ねられたようです。

 残念ながら、私はツアーには一度も参加できませんでしたが、それに関する著書はいろいろ手に入れて愛読してきました。尚子さんご自身は、その後現実的にさまざまな恩寵を受け、現在、自然に囲まれ、ひとびととの愛に充ちた生活を満喫していられる方なので、今回も、きっと、いち早くこの「ワンネスの扉」を読みこなし、現実生活に生かしていかれることでしょう。この本に寄り添われたすぐれたエッセー(「本当の自分」は宇宙とつながっている)を昨年出版されましたが、平易なことばを使いながら、ぐさりと心に刺さる的を射た考察に充ちた本です。




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