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【誕生秘話②】 商品化まで4年、何度も諦めかけた失敗の日々

タイル業界には歓迎されない!?

ブランド構想は2016年にはじまりました。タイルづくりの作業は、「土をこねる」「原料をつくる」「焼く」の分業。今回重要なのは、2番目の原料をつくる作業。釉薬屋さんに依頼をします。
しかし、そもそも釉薬屋さんにとってはめんどうな作業。なぜなら、業界での良いタイルの常識は、色に「均一性」と「てかり」があること。私のこだわりは「色ムラ」と「マットな質感」。わざわざ時間をかけて、一つひとつの色に違ったムラ感を表現したいのですが、業界からすると、この非効率な作業の意味が理解されません。


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辞めようかとも考えた、トライアンドエラーの日々

まず、手元にないタイルの色を伝えることが難しい。さらに、材質が違う素材だと、風合いやバランスも伝わりません。2〜3回は色合わせをしてもらえますが、そこで希望の色が出ることはありません。とりわけ、マットな質感で色ムラを出すことは非常に難易度の高い作業。トライ&エラーを何度も繰り返す。ムラの在り方の意見にも相違が出ます。根気の必要な作業に、正直、何度も辞めようかと思いました。

2018年から1年半ほどはハンドメイドの作家さんとチャレンジをしました。しかし、逆に色の均一感が出ないことが課題になります。そこでの受注生産を目論みましたが、作業量など考えると現実的ではなく、断念しました。

2019年1月、経営者である夫の忍耐と優しさのおかげもあり、ようやく初回ロットを生産。12月にはECサイトの立ち上げまでこぎつけました。


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