横浜に残る根岸競馬場跡にて
1866(慶応2)年、外国人居留地における娯楽施設として、日本初の洋式競馬場として開設されたのがこの根岸競馬場です。1937(昭和12)年からは横浜競馬場に名称が変更されています。その後、1942(昭和17)年に戦争の影響で休止、翌年に閉鎖された後、帝国海軍が徴用、戦後は連合軍が接収しました。1977(昭和52)年に変換後、付近は「根岸森林公園」や「馬の博物館」などに再整備されるなか、この競馬場跡の建物は立入禁止の状態で残されています。
トップの写真にもある馬見所は観客スタンドとして1930年頃、旧丸ビルなどを手がけた米国の建築家J・H・モーガン(1877-1937)によって設計、建設されました。地上7階建て、塔の部分も含めた高さは約30mの建物の内部には、貴賓室やレストランがあり、外にはひさしに覆われた観覧席が階段状に設置されていました。
2021年に横浜市は活用を検討すると発表したので、今後、どうなるかになるのか注目したいと思います。
以下の写真は2014年1月に撮影したものです。
付近にあったプレートです。とても豪華な建物だったことがわかります。
関東屈指の名廃墟として見学する人も多いようです。横浜に外国人居留地があった時代からの歴史をもつ施設は今後も有効に保存活用してほしいと思います。