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自作珈琲焙煎機の開発2   Handmade Coffee Roaster

焙煎機が完成して、モータで歯車が回転して、回転ドラムが回転することを確認しました。いよいよガスコンロを点火して焙煎をしてみようと思います。なお、回転ドラムの端部の穴から豆が飛び出てしまうことがあるため、焙煎機はいくらか傾斜させています。

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焙煎を開始すると、生豆が乾燥をはじめて水分が減少していきます。今回は240gの生豆を使用しており、これが焙煎後には200g程度になります。

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火加減はとても重要になります。炎とドラムが離れすぎていると熱が伝わらずドラム内の温度が上昇するのに時間がかかるため、現在は、ガスレンジの五徳の直ぐ上にスリットを入れた薄い鉄板を載せて、ドラムの回転下部が直ぐ上に来るようにしています。このあたりの加減は焙煎ではとても重要になると思います。

焙煎が進んで8~10分程度になると、温度が190℃程度になり、豆がパチパチッとはぜる1ハゼがきます。

1ハゼの中間ぐらいでは豆は薄茶色になります。これをシナモンローストとい、酸味をもつ浅煎りとなります。この後、焙煎が進むと酸味が苦みに変化していきます。

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1ハゼが終わると約2分で210℃から220℃となり、ここでの豆の状態はミディアムローストの中煎りとなります。そしてこの付近で再度豆がはじける2ハゼがきます。2ハゼがはじまる直前で煎り止めしたものをハイローストシテイロースト、2ハゼが終わった直後で煎り止めしたものをフルシテイ中深煎り、2ハゼが終わった後も煎り続けたものをフレンチロースト深煎りといいます。中深煎りくらいから豆に艶が出て黒光りしてきます。

2ハゼからの数秒では、豆の状態が大きく変化するため、焙煎の具合を調整したい場合にはより慎重に作業を行う必要があります。(このあたりの温度については、温度計の性能や豆の種類によっても変化するので目安です)

私はまだ焙煎初心者であるため、1ハゼ、2ハゼを確認しながら、中深煎りを目指して焙煎をしています。

こちらは中深煎りが上手くできたときの様子です。

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焙煎が終わった豆はまだ内部に熱を持っているため、そのまま放置していると焼きが進んでしまいます。そのため、素早く冷却する必要があります。

まずは素早くザル移します。このときには手袋をして火傷に注意します。

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冷却機もDIYで作ろうと思っているのですが、ちょうどよい溶接用のファンがあったので、今回はこれを使用しました。ここで30秒程度揺すって豆の冷却を行います。このときチャフという薄皮も出るので、ここで取り除いておきます。

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冷却が終了した豆です。最初からムラなく焙煎ができて感激しました。その後もきちんと動いています。

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とても良いコーヒーの香りがします。

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コーヒーミルで粉にします。

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お湯は注ぎ口が細いポットで、フラワー形状のドリッパーに優しく抽出していきます。新鮮なコーヒーはお湯を注いだときにドーム状に膨らんでガスが抜けます。

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自作の焙煎機で作ったコーヒーは超美味です!

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動画にもまとめてみました。

この後も小型の2号機、3号機など改良を続けています。また手回し式も製作中です。この焙煎機は機械工学の設計教育の課題として、熱工学的な考察を行うこともできると考えています。伝熱の仕組みには、熱放射熱伝導対流の3つがあります。具体的には、コンロの上にある鉄板による熱放射、回転ドラムと生豆の熱伝導、周りを流れる空気の対流です。

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これは3Dプリントしたコーヒー豆のオブジェです。

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生豆はグレード1の良品を入手できる、Coffee-Raster かふぇ.ひかゆんで購入しています。

コーヒーの味の基本は、苦味、キレ、コク、酸味の4つです。

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焙煎時間によって、酸味から苦味への変化します。キレとは飲んだ後で感じる爽やかさのこと、コクは飲んだ後に感じる濃さのことです。

その1はこちらに。

その3の執筆も開始しました。


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