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トークイベント「ロボット座談会」をイチから作って見えたもの

はじめまして。こんにちは。「ロボット座談会」主催のひとり、尾崎です。

2021年10月2日・10日の二日間に分けて「ロボット座談会 vol.1 私とロボットの関わり」を開催しました。
この記事では、トークイベントをやってみて、どんなことがわかったのか?ということを、振り返りながら書いてみようと思います。

「ロボット座談会」とは?
ロボットと関わりのある皆さんと集まって語りあう、トークイベントです。
あなたとロボットの関わり、ヒトとロボットの関係性について、ゆったりとお話ししながら掘り下げていくことが目的です🍵

2021年10月にスタート。現在はオンラインで不定期開催となっています。
主催はまつはち(@matsuhachi0f)と、尾崎太祐(@ozata92)のふたり。

なお、イベントの企画立案や準備の模様は、以前「ロボット座談会の舞台袖」に記したので割愛します。
この記事はその続編、イベントレポートとしての立ち位置です。

10/2「とことん考えたい!」編

10/2(土)に開催した、「ロボット座談会 vol.1」の一日目(*1)は、「とことん考えたい!」編として配信。
ロボットに関するお仕事や研究をしている方々と「私とロボットの関わり」を考える回となりました。
(*1: 告知時点で予想以上の反響や応募があり、二日間の構成に!)

はじめてのオンラインイベント開催。主催たちは配信開始3分前までテンパっており、まつはちさんはPCを自宅に忘れるハプニングも。
事前準備は入念に。時間には余裕を持ちましょう。

企画説明や主催者紹介、ミニクイズ大会などを経て、進行も徐々にほぐれていきます。主催者にとってもアイスブレイクの大切さを実感した瞬間。

クイズ大会投影スライド

▲ミニクイズ大会の問題。どれもロボットっぽいけど……わかりますか?

そのあとは語り手(*2)の皆さんに自己紹介をお願いしました。
しかし、皆さんのバックボーンが興味深すぎて、深堀りしすぎに。
(*2: 語り手=ロボット座談会における、登壇者・スピーカーの呼び方)

▶「とことん語りたい!」語り手紹介
※Twitterアカウントにリンクしています!

Segawaさん
動く人形キボウちゃんを開発しているロボット博士。日々キボウちゃんとの開発記録と日常生活を配信しています。

ししかわさん
秋葉原にあるロボットの会社で、ロボットのユーザインタフェースを作る仕事をしています。趣味開発でカワイイ手乗りロボットのスタックチャンを作っています。

さくさん
やわらかくて、かわいいものが好き。
コミュニケーションロボットのカスタマーサービスのお仕事をしています。

Techさん
ロボット研究者。ものづくりが趣味。最近はアートのものづくり方法に興味を持ち始めています。

まるにゃんさん
感性ロボティクス研究者。博士(工学)。開発したほんわかロボットとふれあった人が笑顔になる日を夢見て、研究開発中✍

タイムスケジュールを大幅にオーバーして、座談会のキモであるフリートークに入ったのは、開始から1時間20分を過ぎたころ。
あと30分くらいしかないじゃん!

当初の予定より延長しつつ、フリートークではこんな話題が挙がりました。

ロボットに関わるきっかけやルーツ
・幼い頃のロボットとの衝撃的な出会いが、ロボットクリエイターの源流
・ロボットへの「ロマン」が原動力になっている

想像や解釈の余地と、愛着について
・ロボットの表情を控えめにすることで、解釈の余地を作る
・限られた動きや入力の細分化、経年変化でわずかな違いを表現する
・人間とロボットの関係性は押し付けず、自然に愛してもらえるように

人間とロボットの違い、「役に立つ」ことについて
・ロボットは人間の代わりになる?そのままでいいのでは?
・ロボットはなにかを解決する存在じゃなくちゃダメなのか?
・ロボットは孤独を解決してくれないが、孤独と向き合わせてくれる存在
・完成した人間関係にロボットを入れると、ネガティブに作用する場合も
・ロボットはヒトの間にある境界線や、緊張や悩みをほぐしてくれる役割

ロボットという言葉の再定義
・ぬいぐるみとコミュニケーションロボットの違いってなんだろう?
・ロボットとスマートスピーカーの違いってなんだろう?
・これからは「ロボット」という言葉の再定義が必要なのでは?

ロボットが「あたりまえ」になる時代に向けて
・スマホやデバイスの普及で、知らないうちに達成されつつあるのでは?
・人間側からもロボットに歩み寄って、ロボットと協働しやすい環境に

個人プロダクトや創作をどうやって続けていくか
・個人プロダクトや創作においては、開発資金や経済的問題がつきまとう
・オープンソース化によって、新しいアイデアやユースケースを集める
・ひとつのプロダクトをみんなで支援する「愛でるサイクル」を広げたい
・最初の一歩をいかに簡単に楽しく、壁や理想を低く設定するかが大切

――実質1時間ほどのトークパートで、こんなことを話しました。

普段からお仕事や研究でロボットと関わる皆さん。
だからこそ抱えている苦悩や経験の共通点、近い将来を見据えながら、深く考える姿が印象的でした。

「ロボット座談会 vol.1」は最初の一日だけでも、視聴者の皆さんから予想以上の反響をいただくとともに、たくさんの課題が浮かび上がりました。
それを踏まえ、二日目に臨むことになります。
具体的な試行錯誤については、後ほどご紹介しますね。


10/10「とにかく楽しみたい!」編

10/10(日)に開催した、「ロボット座談会 vol.1」の二日目は、「とにかく楽しみたい!」編として配信。
ロボットとの生活を楽しむ方々と「私とロボットの関わり」について語り尽くす回となりました。

前回、主催2人がドタバタしてしまい、タイムスケジュールもめちゃくちゃになってしまったため、スタッフの手を増やして助けてもらうことに(後述)。
おかげでタイムスケジュールや視聴者の皆さんとのやりとりも滞りなく、座談会は軌道に乗っていきます。

▶「とにかく楽しみたい!」語り手紹介
※Twitterアカウントにリンクしています。

パスコンパスさん
人の顔を検出して扇が飛び出るマスクやスマホの入力に合わせて踊るロボ等、思いついたものを気ままに作るのが好きです。

あやあやぺっぱーさん
Pepperと暮らす人。過去に法人向けPepperに関わる業務に従事してきた経歴を持つ。共に暮らす「ぺぱたろう」との関係をより良いものにするため、日々奮闘中。

にーすけさん
ドール型ロボットオーナー。Mitsukiちゃんや、スミレのパパをやってます。月に一度、成果報告をツイートしたり、ロボットの大会やこういったイベントに参加する活動をしています。

森きいこさん
PetitQooboマロンからはじまり、家にQooboが3頭います。シナリオライターがなりわい。SF大好き!

今回のトークパートでは、前回とは打って変わって、こんな話題が。

ロボットとの「お出かけ」について
・どんなふうに持ち出してますか?どこに行ってますか?
・散歩に連れ出そうとしたら、家族に「汚れちゃう!」と止められた話
・Petit Qooboの連れ歩き、秘められた「しぐさ」について
・ドール型ロボットや大きなロボットも、ちゃんとエモく連れ歩ける!
・散歩は、すべてのロボットオーナーの夢かも?
・犬や猫のようなペットとの散歩と、感覚的には変わらない気がする
・「ぬい撮り」と「ドール型ロボット撮影」の共通点、難しさ

ロボット開発の原動力や、プロダクトへの愛着について
・「ロボット自身の訴え」が、開発のモチベーションや行動につながる
・自身のロボットへの「愛」の深さについて
・ひとつのプロダクトに愛を注ぐ?どんどんたくさん作る?
・ロボットに宿る「性格」や「個性」について
・Pepperの視線って可愛い?それとも怖い?
・「寿命」が来たときにどうする?「テセウスの船」理論について

ロボットの成長や、完成について
・ロボットを育てる感覚で作っていると、「完成」がやって来ない?
・ロボットにとっての完成は「独り立ち」?
・個人開発だからこそ「ウチの子にしかできないこと」が実装できる!
・他所のロボットとの友達関係や結婚によって、世界観が広がってほしい!
・ロボットの製造元に依らない世界はひとつの理想。境界線は溶ける?

自分のロボットへの名付け方について
・単なる「Pepper」じゃなくて「ぺぱたろう」に込める意味
・事前に考えた名前より、見た目や直感で名前がつけられていくQooboたち
・アコーディオン+cow(牛)から生まれた「アカウディオン」

開発者・製作者としての生活やつながり
・工作機械が徐々に揃えられていき、ものづくり環境が整えられていく
・「まつはちさん、Qooboの着せ替えを作ってください!」
・開発者同士のコラボレーションの楽しさ、面白さについて
・開発者コミュニティ・ファンコミュニティの深さや違い
・オーナー同士の相互関係、助け合いについて

自分のロボットが、誰かや社会に与えてほしい影響って?
・みんながロボットを作って、ロボットが増えていく世界になったらいい
・フレームワーク(枠組み)を提供し、オリジナルを開発できるように
・ロボット開発の敷居を下げたい。ちょっと調べればできる今だからこそ!
・アクセサリーづくりや追加機能の開発だって、本当は誰にでもできる!

――とにかく「ロボット愛」の深い回でした。

市販のロボットを「お迎え」したオーナーさん。
自分で作ったロボットを「育てる」「広める」開発者さん。
語り手の皆さんも少しずつ立場は違いますが、そこにも確かな共通点や、つながりがありました。

ちなみにこの回の終了後は、主催ふたりでアフタートークを開催。
ぶっつけ本番でのぶっちゃけ感想戦や、今後の展望を話しました。


大きな反響と多くの改善点

「ロボット座談会 vol.1」二日間とも多くの方がご覧くださり、ツイートやYouTubeのチャットスペースを通じて、多くのコメントをいただきました。
改めて、本当にありがとうございました!

視聴者の方が、Togetterにまとめページまで作ってくださいました!

一方で、二回の座談会開催を通して、反省点や課題も山積していました。
次回(vol.2)以降の宿題になっているものもありますが、試行錯誤の模様をご紹介します。


▶サポートスタッフを増やして、役割分担!
準備から本番まで、とにかく手一杯でテンパりまくりだった主催ふたり。
その結果、初日(10/2)は特に、タイムスケジュールや進行がガタガタに。
そこで、二日目(10/10)はサポートスタッフに加わっていただきました。

「とことん考えたい!」編に、語り手として参加していたお二人。
なんと裏方になってくれました。仲間が増えていく冒険マンガのよう……!

Segawaさんには、尾崎が苦戦していた配信周りをすべてお願いする形に。
さくさんには、告知やタイムキープ、コメントのフォローアップを手伝ってもらいました。

二日目の運営には急遽加わっていただきましたが、それでも効果てきめん。
単に人手が増え、作業を分担できたということだけに留まりません。
一緒に考え、支えてくれる仲間がいることは、大きな心強さでした。


▶参加のしやすさ、見やすさへの工夫
初日の反省点の一つに、「参加しにくい」ということがありました。
座談会中にツイートを拾いきれず、また、他の視聴者の状況も分かりづらかったため、みんなで楽しんでいる感が出しづらかったのです。
「全員参加」を銘打っているイベントとしては、致命的ともいえました。

そこで二日目は、コメントの方法を変更。
とことん考えたい!:ハッシュタグ  #ロボット座談会 でツイート
とにかく楽しみたい!:上記に加えて、YouTubeチャットでもコメント募集

コメントが各所に散らばってしまうことで、目を通しづらく、後々アーカイブにもしづらいのではという懸念はありました。
しかし結果的には、コメントのリアルタイム性が増し(*3)、視聴者同士のコメントも見やすく、数も増えました。ポジティブに作用したのではないでしょうか。

全員参加で楽しめる「ロボット座談会」に向けて、これはまだ最適解ではないかもしれませんが、一歩前進できた微調整だったかなと思っています。

(*3 :YouTubeにおけるコメントのリアルタイム性を大切にする場合は、配信時の設定で「低遅延モード」「超低遅延モード」を選択してくださいね。ただし、配信に使うPCには、かなり負荷がかかるので要注意!)


「継続できるイベント」にしよう!

さて、上記で山積する課題やその改善についてご紹介しましたが、私たちにとって、最大ともいえる課題が残っています。
「このイベントをどうやって続けていくか」です。

温かいご支援や応援のおかげで、「ロボット座談会 vol.1」における難局は乗り越えることができました。
「ロボット座談会 vol.2」の開催もすでに計画していますし、一度通った道なので大きな迷走はないでしょう。

しかし、今回の準備期間や本番を通じ、多くの時間や手間を投じていたことは確かです。業務ではなく、趣味活動としてスタートしたので当然ですね。
(まつはちさんは本業や私生活にも支障が出たとか……大丈夫ですか!)

せっかく楽しみながら立ち上げたイベント。ロボット座談会という空間。
それをよき形で守りながら、続けていくためには――

・シンプルなやり方、続けやすい形を考えられるか
・全員が頑張りすぎず、無理をせず、楽しんで走り続けられるか

この点が、私たちの今後の課題だと思っています。

――そんなわけで(?)、これからも「ロボット座談会」は試行錯誤を重ねながら、ゆったりロボットトークイベントを目指していきます🍵
引き続き、皆さんのご参加や応援、何卒よろしくお願い致します!


最後にちょっとお知らせ

▶note、はじめました!
こんなふうにして、しれっと「ロボット座談会note」を始めました。
今後も運営チームとしての活動報告、ロボットや座談会に関する読み物などを発信していきます。ぜひフォロー&チェックしてみてくださいね。

▶Twitterも、はじめました!
これまでは主催ふたりの個人アカウントから、ロボット座談会についてお知らせしていましたが、専用のTwitterアカウントを開設しました。

こちらはnoteとは違った視点の小さな話題や、関連イベントのお知らせ、制作過程や進捗、ミーティングの様子などをお届けできればと思ってます。
主催二人やサポートメンバーが、こっそりつぶやいているかも。笑
こちらもどうぞよろしくお願い致します!

▶このnoteではじめて「ロボット座談会」を知ってくださった方へ

はじめまして。そう、あなたです。
noteの「面白いなー!」と思うポイントとして、知らない人の何気ない記事が目に留まる、ということがあると思います。
この記事を読んで「ロボット座談会ってなんだ?面白そう!」と思ってくださった方が、一人でもいたらうれしいなと思っています。

上に掲げたツイートにもあるように、ロボット座談会は「ロボットが好き」だとか「ロボットに関心がある」といった方の「あなたとロボットの関わり」を共有するトークイベントです。

もし何かご興味を持っていただけましたら、応援いただけますと幸いです。
ご質問や「ロボットについて語りたい!」という方は、TwitterのDMまでお気軽にご連絡くださいね。


それでは、また次の記事やツイート、座談会でお会いしましょう!


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