【創作note】遅れてきたフレーズ
書き終えた詩の後に
新しい着想がやってきた
閉めてしまったドアはもう開かない
「そんなんじゃ駄目だぞ」
「今更遅いや」
「やり直しだ!」
「もう完成した」
「そんなんで満足したら駄目だぞ」
「これはこれでいいんだ」
「俺を入れろ!」
「もう遅いって」
「一行でいいから」
「バランスが崩れる」
「それで完成したつもりか?」
「あとから来て偉そうに言うな」
「いいから俺を入れろって!」
「必要ない!」
「じゃあみんなに訊いてくれ」
「何をだ?」
「読者にちゃんと訊いてくれ」
「そんな者はいない!」
「いないわけないだろ」
「いないものはいない!」
「だったら俺が呼んでやる!」
「次回にしてくれ」
「駄目だ。今回だ」
「もう締め切った」
「いったい何の締め切りだ?」
「オリンピックだよ」
「何? 何の話だ?」
「君は?」
「俺は後から来た男」
「やっぱりそうか」
「俺を入れてくれ!」
「もう遅い」
「切り札は最後に使うものだ」
「そんなに自信があるのか?」
「自信だけがある」
「君かもしれない」
「ようやくわかったか」
「遅かったけどな」
「遅くはない」
「君が?」
「俺はオーバーエイジ」
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