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詩を書くことは何かせつない
話せばとても 長くなります 長くなり長くなり だんだんと忘れていきます 自分の話したろくで…
広い宇宙をさまよって たまたまこの星にやって来た あなたが 私の言葉を見るのは これが最初で…
何しにきたんだっけ? おばあはきょろきょろと まわりをみている いいじゃないか ここにい…
紅茶に浮んだ レモンが 父の顔だと言われて どうしても納得がいかなかった 思い抱くのは もっ…
一度も吼えられことのない 犬 戸の向こうから吼えられた 雨降りだったから 雨降りの中を傘など…
詩を書くことはとても楽しい
立ち止まるだけで 扉が開かれる 呑み込まれた僕は 人の居ない隅へと 歩き続ける 「ご自由に…
何も書くことがないという時 何かを書かなければならない 何かを書くことができなかったら 何…
みんなは釜の前に集まって 杓文字が届くのを待っている 種々のおかずに突き刺さったトングに …
夜気の降りかかる 階段の途中 昨日と一緒で点滅している エコ ガソリンスタンドの天井は 太陽…
誰かが部屋のドアをノックする 音がする けれども誰も来てはいない 本当は自分で 茶碗を置い…
今でなくてもいいけど いつでもよかったから 無地の紙の束を買った 「世界の終わりは?」 い…
小さな隙間に猫が入って こちらを見ている こちらが見ているから あちらも見ている 行かないのか? おまえは 行かないのか? 猫の瞳に言葉を送ると まっすぐそれは こちらに返ってくる こちらが動かないから あちらも動かない そうして猫と根競べをしている うちに ぱらぱらと雨が降り出して 僕は 戻ったのだ ありがとう 僕の歩みを おそくしてくれて バイバイ 傘がまわる時に 猫は どこかへ