中国のドローン大手XAG社、CSR報告書で農場無人化などアグリテック路線強化を報告
2022年4月、農業用ドローンを開発する中国のXAG(極飛科技)社は、企業の社会的責任(CSR)に関する2021年の報告書を発表した
報告書によると、XAG社は2021年に農業用無人機稼働台数を8万2371台運営し、累計9億9000万ムー(約66万平方キロメートル)の耕地で稼働させ、ドローン実習生資格証の発行数は7万5336件、ドローンインストラクター資格証の発行数は4196件であった。
また、農業活動は温室効果ガス排出の主な原因であるが、排出量と炭素排出量を削減する一方で、農業生産の効率と収量を維持または改善することが重要になっている。XAG社は、ドローンや無人走行車両を使用した農薬散布作業などにより、農業の生産性を向上させながらカーボンニュートラルの目標達成に寄与している。2021年だけでも農作物の損失を1043万トン減らし、水を3060万トン、燃料を3億6000万リットル節約し、二酸化炭素排出量を96万トン減らしたという。
具体的な活用例としては、広東省広州市において、春季の作付け作業の際に、花都区農業技術管理センターの指導の下、XAG社のドローンのスマート播種システムが田んぼに直接種まきをし、育苗・運搬・移植を省略化した。江蘇省鎮江市では昨春の作付け期に小麦農家がXAGのドローンを使って250ムー(約0.17平方キロメートル)以上の畑で農薬散布作業を行い、本来は人手で5〜6日かかる作業をわずか10時間で終わらせた。陝西省渭南では、暴風雨の後に田んぼに泥が堆積して、通常の機械では播種作業を実行できなくなったが、農業用ドローンにより小麦の種まき作業を行うことができた。
XAG社は、アグリテック企業を目指し無人農場プロジェクトに着手している。ドローンを通じて遠隔で農地の地図を取得してスマートマップを作成、それを活用してドローンや無人走行車両が決まった時間、決まった場所で播種、施肥、散布作業を行う。2021年4月には天山山脈南麓でXAG社のスタッフ2人が3000ムー(約2平方キロメートル)の綿花畑を管理する「超級綿田」プロジェクトを試行した。伝統的な綿花畑と比べ、人的コストを60%、用水量を90万トン、化学肥料の使用量を31%、農薬の使用量を36%削減できたとしている。
出典:
2022年4月付 2021年社会的責任報告(中国語)
https://static.xag.cn/img/about/csr/极飞2021年企业社会责任报告.pdf
2022年7月17日付 36Kr Japan(日本語)
https://36kr.jp/195803/