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米マサチューセッツ工科大学、ロボットのための拡張可能な衝突回避運動計画システムを実現するアルゴリズムを発表

2023年11月21日、米マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所(MIT Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory:CSAIL)の研究チームは、ロボットのための、拡張可能で衝突回避のための運動計画システムを実現するアルゴリズム「凸集合のグラフ(GCS)軌道最適化(Graphs of Convex Sets (GCS) Trajectory Optimization)」を発表した。
 
このアプローチは、グラフ探索(ネットワーク内の離散的な経路を見つける手法)と凸最適化(与えられたコストが最小になるように連続変数を最適化する効率的な手法)を組み合わせたもので、ロボットの軌道を最適化しながら、迷路のような環境でも素早く経路を見つけることができる。GCSは、14次元(あるいは可能性としてそれ以上)にも及ぶ衝突のない軌道を描くことができ、倉庫のような環境におけるロボットの協調動作を強化。このアルゴリズムは、同種のプランナーよりも短い経路を短時間で常に発見し、複雑な空間での効率的なプランニングを実現する。実際のテストでは、最適化された経路で障害物を回避するロボットの同期動作が示され、製造業などのアプリケーションにおけるアルゴリズムの可能性が実証された。
 
CSAILチームは、GCSは最終的には、物体を押したり滑らせたりするような、ロボットが環境と接触しなければならないような、より複雑な課題解決にも役立つ可能性があるとしている。チームはまた、GCSの軌道最適化をロボットのタスクや動作計画に応用することも模索している。この研究成果は、「Society for Industrial and Applied Mathematics(SIAM)」の「Journal on Optimization」に掲載された。
 
出典:
2023年11月21日付 MIT CSAIL(英語)
https://www.csail.mit.edu/news/new-optimization-framework-robot-motion-planning
2023年11月22日付 TechXplore(英語)
https://techxplore.com/news/2023-11-optimization-framework-robot-motion.html