見出し画像

【日本ワイン ‘’山辺ワイナリー”ワイナリー情報】

2017/2/2

長野県 松本市大字入山辺1315-2

国宝”松本城”のある松本駅から、入山辺線バス乗車20分。
標高700mの澄み切った美味しい風が吹き抜ける地に、山辺ワイナリーはあります。
「長野県ブドウ発祥の地」である一大産地の信州 松本。
明治時代に導入されたというブドウはなんと、意外にも今は県内で数軒しか造っていない甲州種です。

創業2002年。
ワイナリーのすぐ横にはシャルドネの垣根畑。
自社畑は1.3haに拡大し、年間生産本数は8万本に及ぶ。
原料は松本平産ブドウ100%。
設立時からバルクワイン(輸入ワイン)やマスト(濃縮果汁)の使用は一切していないというこだわり。

「都市と農村の共生、活性化」を目指し、松本ハイランド農協が主体に立ち上がったのがワイナリーの始まりです。
その思いを具現化するのは、敷地内にある「農産物直売所 ファーマーズガーデンやまべ」と「ワイン&レストラン マリアージュ」。

山辺ワイナリーを物語るのは、”地元の観光と強く繋がっている”ということ。
松本駅と美ヶ原高原に挟まれる場所に構えるワイナリーには、シーズンになると
お土産を買いにくる観光客でいっぱい。
だから「分かりやすい甘口」のバラエティが豊富。

ですが山辺ワイナリーの強みは甘口だけではありません。
ピノ・グリ始めシャルドネなど辛口ワインも秀逸。
昨年の日本ワインコンクールではシャルドネ シュール・リー2015、樽発酵2015、銅賞、樽熟成2014が奨励賞受賞。

自社栽培のブドウには、シャルドネ、メルロ、ピノ・グリ、ピノ・ノワール、サンセミヨン、ソーヴィニヨン・ブランなど8品種、ワインは44銘柄とバラエティ溢れる造り。
ワイン造りを始めたばかりの山辺の土地に合うブドウ、ワインを模索している最中。だから銘柄も豊富です。

ちなみに城戸ワイナリ―さんのワインを飲んだことをきっかけに始めたピノ・グリの生産本数は600本ほど。

青リンゴのシャープな酸やほろ苦さ、冷涼な土地の風を感じる酸とミネラルのバランスが凝縮した果実感に包まれるのが、山辺さんのピノ・グリ。
価格帯は3,000円台後半。

価格について「消費者を裏切らない価格設定をしなければいけない。”日本ワインだから”ということではなく、海外のワインと品質を比べた時の価格はどうか、考えなければ」と、工場長 遠藤雅之さん。
冷静にお話して下さいました。
一人の日本ワインの造り手として、世界基準と日本ワインの今後を考えています。

そしてサンセミヨン。
これはこれまでのワインで出会ったことのない和柑橘でした。

給食で出た文旦、毎年親戚から送られてくる箱一杯のみかんを思い出す香りに、黄色いお花や白桃のようなアロマ。
ジューシーな果実の中には、冬の完熟したみかんがくれる甘みを感じます。
さらに繊細なほろ苦さが大人の雰囲気を漂わせ、余韻はシュッと切れるような軽快さ。

しかし直ぐに褐色に変色してしまうことや清澄が難しいことから、まだまだ研究していきたい品種だそうです。

「弊社は観光バスが立ち寄るお土産ワイナリーですから…」
と、あくまで低姿勢を譲らない遠藤さんですが、地元や自分だけのワインだけでなく、日本中のワイナリーのワインや栽培品種まですらすらと答え、研究熱心で謙虚でまっすぐ。
それがワインの持ち味にも感じられます。
セカンドライフは自分のワイナリーを持ち、甲州のワインをやりたいそうです。

素直に謙虚に、まっすぐに。だけど情熱も。
そして地元の観光と農業と共に歩むワイナリーです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?