[1月23日]今週のブック特集(王様のブランチより)

こんばんは、robin1101と申します。あっという間の1週間。今回も王様のブランチのブック特集について書きます。

今回、放送されていた特集は、


「直木賞と芥川賞の特集」でした。


第164回直木賞を受賞した作品は、

西条奈加さんの「心淋し川」でした。

「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張方をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。ほか全六話。生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。



芥川賞を受賞したのは、

宇佐美りんさんの「推し、燃ゆ」でした。

こちらは、つい先ほど読みましたが、独特な世界観で面白かったです。自分の解釈であらすじを書いてみました。

自分が推しているアイドルグループのメンバーがファンを殴ったらしい。世間は炎上状態になったが、あかりはどうすることもできず、今までの状態で過ごすことに。
あかり自体は、高校を中退し、周りともあまりうまくいかなかったが、「推し」やブログ上での推し仲間がいることで、生きている実感があった。一つの騒動をきっかけにあかりは、どう向き合っていくのか?あかり自身はどう成長していくのか?

推しというと、ファンとどう違うのか?調べてみたら、特に明確な違いというものが提示されていませんでしたが、個人的にファンよりも深く「愛」を感じているかなと思いました。推しが選ぶもの、推しが考えていることなど共有したい気持ちに駆られるのではないかと思いました。そうなると、ストーカーとも感じてしまいますが、「推し」の方が推しの事を神々しい存在で、そばにいなくてもいい、「アイドル」として見たい気持ちなのかなと思いました。


この作品では、アイドルグループのメンバー・上野真幸を「推し」として表現しています。名前にしないことで、近すぎず遠からずの存在感を表現している印象があり、面白かったです。騒動が起きながらも、平常心で保とうとするあかりの心情が淡白ながらも繊細で、独特な世界観がありました。
「推し」としての理解は、なかなか分からないこともありましたが、何かの推しがいることで生きている実感が湧くということで考えると、共感するところもありました。

読みやすさでいえば、ちょっと読みづらいかなと思いましたが、言葉の表現が美しく、純文学を読んでいる感じがしました。

約120ページという少なめの量ですので、興味ある方はぜひ読んでみてください。


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