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若がえる水、惚けない水(危険な言葉)

魔法の水を探しに週末ドライブしたわけではない。

若返る水、惚けない水

昨日は便座探しのドライブに出かけた。友人が旅先できれいな便座を見つけたからとドライブに誘ってくれた。雨模様だったので遠出のドライブになった。故郷から一時間半のドライブ、福岡県の”きは市”、白壁通りを目指した。アメリカの友人から勧められた谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」から,以来 二つの英語表現を学んだ。1975年初版、50年前の本。トイレはどこですかは ” I want to wash my hand" 、中に入っているは ”Someone in" と紹介されている。ただ、小便と大便の言い方を知らなっかため、小便用の便器しかなかったレストランで困ったようだ。そういえば大と小を英語でどう区別してるのだろう?(なるほど)

タイル

きは市の筑後吉井地区は、江戸時代、豊後街道の宿場町として賑わった。目指してきたその便座は精蝋、酒造、菜種の製油などでひと財産築いた白壁の商家、古民家にあった。この地区には漆喰塗の重厚な土蔵造りの商家跡が並ぶ。漆喰塗りの土蔵が並び、お陰で、大好きな鏝絵(こてえ)が至る所に見られた。

白壁通り
白壁の鏝絵

祖父の家族は山深い場所で、蝋燭を作っていたという話を思い出した。子供の頃祖父や父からきれい色の葉っぱの樹には注意しろ、かぶれるぞと大声で怒鳴らていてた。櫨(はぜ)の実を摘んでは蝋燭をつくり生計を立てていた。櫨の木を身近に見ないのだけど、探してみよう?

櫨の樹
櫨の実と蝋

大きな屋敷には大きな神棚があった。ここの古民家には神棚の上に二階がない、天井は屋根裏まで伸びている。神棚の上は何もなく神がその上にいるだけ。この辺りではの字の代わりにの字を書いて天井に張り付けたようだ。

神棚の上は空。空の上に神。徹底ぶりに感激


ところで、便座は比較的新しいものでがっかりした、それでも、商家に使われた床や壁タイルがモダンでよかった。こんなタイル張りに当時の繁栄が偲ばれる。使用人の五右衛門風呂の床もモダンなタイル張りだったそうだ。

五右衛門風呂の見事な床タイル

有田焼の里に目的の便座を売っている店がるというので教えてもらった。次の便器を探す旅は有田焼の里になりそうだ。

タイルや神棚でおおいに感激したが、昼食も安く量もあり美味かった。オリーブを数滴落として炊いた白飯、ミカンの皮を千切りにしたつくだに風小鉢 、特に自家用の味噌だれで食べるとんかつは、カリカリの衣で包まれ中からジューシーな豚肉があらわれ、自分好みの味でお替りした。

うまい米、美味い味噌汁、
命の源水

こんな豊饒な日は良いことが続く。帰路に立ち寄った奇岩、温泉に若がえりのみづを見つけた。ボケにも言いそうなのでペットボトルを空にして、いのちのみずを持って帰った。慌ただしい一日だったが、そういえば”若返った”気もする一日だった。

宇土の奇岩
水清くして美味しい魚が住む



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