見出し画像

自分自身のヴァイブレーションと出会う

二つの展覧会と並行して、音楽の制作も進めています。この自粛期間、一緒に演奏したくてもできなかったミュージシャンに声をかけて、レコーディングの手配をしています。作業はたくさんありますが、ワクワクしますね。

ところで、絵画の展示をするにあたり、この自粛期間につくった作品たちを壁に並べたとき、どんな印象になるのだろうか、もしかすると落ち着きのない不安な印象になったりするのではないだろうかと思っていました。なぜなら、私の内側や外側で、この数ヶ月間、いろいろなことがあったからです。

ところが、実際に並べてみましたら、むしろ逆で、妙に落ち着きのある空間になっていたのでした。

そうやって自分のつくりだしたヴァイブレーションの集合体をあらためて客観的に感じ、体験してみて、これも自分の一つの特性なんだなと思ったのでした。

誰も触れたことのない新しいものをつくりたい、とんがったものをつくりたい、圧倒的なものをつくりたいという氣持ちに変わりはないけれど、見た人、聞いた人が、本来の自分自身がいるべき場所に自然と戻っていくような、そういう作品があってもいいじゃないか、そう思ったのです。

人にはそれぞれ特性がありますが、案外それを本人は自覚していないものです。仮に自覚していてもそれがあまり好きではなくて、それ以外のものになろうなろうとしたりしているものです。

しかし、この先も続くであろう困難な時期は、おそらく本来の自分自身でいることに集中しなければ生き抜けないかもしれません。そんななか、自分自身のひとつの特性を図らずも再確認できたことは収穫でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?