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レンジファインダー機で中望遠(3)

Topcor 9cmF3.5

中望遠レンズシリーズの3本目は東京光学のトプコール9cmF3.5である。これと5cmF3.5の固定鏡胴のタイプは、従来の50mmレンズの系統とは異なる、アルミニウム素材の一風変わった外観になっている。

ライカM2に装着したトプコール9cmF3.5

上の写真の通り、細身で小柄、軽量なレンズである。アルミ素材ということもあり、スレ傷が付きやすいのは惜しいところだ。私の持っているレンズも、きれいに見えるが実際には無数の細かい傷がある。
レンズ構成は3群3枚のトリプレットで、コムラーの105mmF3.5よりはボケに個性が感じられ、点光源ボケにも少し輪郭がつく。ピント面はすばらしくシャープである。
以下に撮影例を上げておこう。フィルムはいつものフジフイルムの感度100のネガである。

同じシーンでF3.5も撮っていたが少しピンボケなのでF5.6の方をアップする。
Leica M2, Topcor 90mmF3.5/ F5.6, 1/125
ボケは同心円状に引っ張られる。
Leica M2, Topcor 90mmF3.5/ F3.5, 1/250
Leica M2, Topcor 90mmF3.5/ F3.5, 1/250
これも特徴的なボケになっている。
Leica M2, Topcor 90mmF3.5/ F3.5, 1/1000
同心円状に引っ張られるボケ像がよくわかる。
Leica M2, Topcor 90mmF3.5/ F3.5, 1/125
ボケと同化しかかっている。
Leica M2, Topcor 90mmF3.5/ F3.5, 1/500

おわりに

レンジファインダー機での中望遠撮影のシリーズはこれで一旦終了する。ライカマウントの中望遠レンズはあまり人気がないように思われるが、それはやはり狭いファインダー枠で構図を決めなければならないのと、ピント精度の担保が難しいからだと思われる。かといってフィルムが高い昨今、数打てば当たる式の撮り方ももったいない、というよりそういう連写が向かない機材ではあるし、ここは覚悟を決めてゆったり構えて使うしかないだろう。

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