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24年6月 Olympus PenD3

ペンタックスがハーフ判

あれには驚いた。フィルムカメラのプロジェクトをやるというのがそもそもすごいのだが、あえてハーフ判というのも驚いた。ペンタックス自身はハーフ判のカメラをやっていないので、リコー側のブランドなら有名なオートハーフがあるが、撮影者が巻き上げやピント設定の操作をすることも重視されたようなので、オートハーフ(距離固定、自動巻き上げ)ではダメだったのだろう。この時期に、新型のフィルムカメラを出すことに敬意を表したい。

PenD3

ということもあって、今週は手持ちのハーフ判カメラを使おうというわけだ。既にオリンパスのペンシリーズでPenS、PenS3.5、PenW、PenD3、PenFVと複数台所有しているのだが、大口径でピント合わせが難しくあまり使っていないD3を持ち出すことにした。
ペンシリーズは28mmF3.5、30mmF2.8、25mmF2.8といったレンズを搭載しているが、大口径の32mmF1.9レンズを搭載した最高級版として初代のPenDが出て、その後露出計をCdSにしたD2、レンズを32mmF1.7にしたD3となった。さらに自動露出の系統、EEシリーズと合体したEEDというのも出ている。D3以前の機種は露出計はシャッターや絞りには連動せず、露出計が示すLV値をシャッター・絞りリングの間にある数字に合わせるやり方だ。距離は目測である。32mmといえどF1.7では近距離でのピント合わせはなかなかの難易度で、そうしたことも加味してか、最短撮影距離はオリジナルのペンやSシリーズの0.6mに対し、0.8mである。今なら距離計アプリなども使えば不安は相当に軽減されるだろう。
レンズはシャープに写る。ボケには口径食があって遠景の点光源がレモン型になり、枝や葉のような被写体だと同心円状に引っ張られてざわざわした感じにはなるが、それもまた個性ということで。F2.8以降はピントがくっきりして、F8ともなると全体に精緻な描写が得られる。
ということで、撮影例を以下に挙げていこう。フィルムはフジフイルムの感度100ネガである。そういえば昨年もそうだったか、一時期店頭から在庫がなくなり、6月に販売が再開しているようだ。

公園にて、きれいな山ができていた
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F8,1/250
ボケは荒々しい感じだ。
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F1.7,1/8
オシャレなフェンス
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F2,1/500
自宅近くにて
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F1.7,1/60
自宅にて
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F8,8sec,三脚
整理整頓
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F8,1/250
置き場?
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F5.6,1/125
細い
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F8 1/2,1/250
エントランス
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F8,1/250
ついつい撮ってしまう
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F8 1/2,1/125
秋葉原近くにて
PenD3,F.Zuiko32mmF1.7/ F1.7,1/500

おわりに

昨今のフィルム高騰は大変で、中古カメラ店でもハーフ判カメラの在庫が増えているように見え、また店員さんがお客にハーフ判を勧めているのもよく見かける。いまのフィルムは十分に粒状性が良いから、こういうカメラで撮り歩くのも良いと思う。レンズはシャープで、静かなリーフシャッターはブレが少なく画質にも寄与する。ピント合わせに確実性を求める方なら、PenFも選択肢になるだろう。引き続き活用していくとしよう。

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