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みかづきマーチは音楽への初期衝動が詰まってる
現在漫画アクションで連載されている山田はまちさんの「みかづきマーチ」というマーチングを題材にした漫画がある。ソーシャル上で作品の存在は知っていたのだが、コミックスがまだ発売されておらず第1巻の発売が7月28日だと知り、そわそわと待っていたのだが第一話がWEBで読めると知り、早速読んでみた。そして第一話を読んで驚いた。
なぜかというと自分と主人公の境遇が似ていたし、初めてマーチングに出会った時の初期衝動みたいなものがそのまま描かれていたからだ。
みかづきマーチの第一話はざっとこんな感じだ。
高校二年生の美月は「良い大学に入ることが幸せ」と母親に言われ続け勉強に打ち込んできた。ある日、勉強以外に自分がやりたい事がないことに気づき、退屈な大人になってしまうことを恐れた美月は家出をし、おばさんの住む秋田に向かう。おばさんのお店の配達に同行した美月は、配達先に高校でおばさんのお店でバイトをしているアキラに誘われ、初めてマーチングのショーを観ることに・・・
僕は美月のように優等生ではなかったけど、高校二年生で不登校になり半年くらい引きこもっていた。しばらく引きこもったあと、漠然と「このままではどうしようもない人生を送ることになる・・・!」と思い、おばあちゃんが住む熊本に東京から引っ越したという経験がある。美月が変化を求め環境を変えようとした気持ちがとてもわかる。
転入試験を受けてなんとか高校には入り直すことが出来たものの、二年生は半年以上学校に行っていなかったので当然留年するという結果になった。東京から熊本への転校で当たり前だけど友達も1人もいない。ましてや留年しているというステータスの僕。人生をやり直したいという気持ちで熊本には来たものの、不安で一杯だった。
そんな時、高校の体育館の部活動紹介で吹奏楽部のドリル演奏を観た。
今考えるとそこまで上手な演奏ではなかったと思う。が、しかし、僕は心の底からかっこいい!と衝撃を受けた。楽器の演奏なんかしたことなかったし、興味もなかった。でも体育館で観た一糸乱れず動いていくフォーメーションやブラス、パーカッションの迫力(当時僕の出身高校は人数少なくてカラーガードはいなかった)を体に感じうずうずした。美月のように胸の奥がくすぐられる感じだ。
体育館から戻り、教室の中で「さっきのマーチング演奏かっこよかったね・・」となんとなく呟いたら、前の席のクラスメイトが偶然にも吹奏楽部で「何!?杉山興味あるの!?」と腕掴まれて音楽室に連れて行かれ、そのまま入部するという流れになったのだが、まさかその後マーチングにどっぷりはまり、最終的にはアメリカまでマーチしに行くとはこの時全く予想していなかった。(高校卒業後は、一般バンドに入り、その後DCI参加、インストラクターも少しだけ経験した。どっぷりすぎたがこの辺の話は長すぎるので割愛する)
▲この時僕を吹奏楽部に誘ってくれたクラスメイトとはアメリカで再会した
でも、あの体育館での演奏の衝動は今でも覚えているし、あの瞬間がなかったら全く人生が変わっていたのかもしれないと思う。あの瞬間に僕の新生活への色々な不安は吹き飛び、マーチングに熱中することでその後も色々な人生を切り開けた。
日本国内では競技としてのマーチングを直接観戦できる機会が少ないので、なかなか魅力が伝わらないのではないかと思うが、このみかづきマーチのコピーにも書かれているようにマーチングバンドは音楽も踊りもビジュアルも楽しめる総合芸術だ。
プレイヤー視点で描かれる作品が広がることにより、この少しマニアックなマーチングという世界に興味を持つ人が1人でも多く増えていくれると本当に嬉しいなと思うし、僕もみかづきマーチを楽しみに読もうと思う。
余談だけど、アキラくんはケースにBLUECOATSのステッカー貼ってるからBLUECOATS志望なのかな。確かに近年ほんとおしゃれでカッコいいショー観せてくれるよね・・・。
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