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小さなおねがいごとに秘められているもの

①シンデレラ考察
シンデレラのお話で、町に出かけるお父さんがお土産のリクエストを聞くシーンがある。

義姉達が贅沢品をたくさん頼む中、シンデレラが頼んだのはハシバミの小枝。

「何で枝?」って全くわからなかった。遠慮したにしろ「綺麗なハンカチを一枚。」だっていいのに。

でもシンデレラの気持ちになってみるとわからなくもない。

お父さんは優しいけど、意地悪な継母や義姉達の言いなりで全く頼りにならない。

そんなお父さんだけども自分のことを想ってくれているというのがただ今のところの自分の唯一の希望である。普段顔をあわすのは家族しかいないからこの希望を失うわけにはいかない。

よってシンデレラにとって「お父さんが旅先で自分のことを思い出す。」ということがお土産に期待する最重要事項なのだ。

ハンカチでは義姉達に取り上げられてしまう可能性がある。いっぱい持っててもあの人達はシンデレラから取り上げることが快楽である。ハンカチを取り上げられることは、父の関心すら取り上げられることの暗示でもあるから縁起でもない。

あの人達が興味ないものにしよう!
ハシバミの小枝だ!棒切れもらって喜んでたらゲラゲラ笑ってほっといてくれそうだわ。

そんな調子だったのではあるまいか?

(ちなみにだけどハシバミの小枝には古くから魔力があるとされ、財産相続の儀式にも使用されていた説もあるらしいから、そこまで考えてたら逆暗示でシンデレラはなかなか逞しい。)

お父さんは本当に頼りなくて、このシンデレラの必死の思いに気がついてないんだよね。帰り道に服に枝が引っかかってようやく思い出すみたいなギリギリパターン。ほんとにヒヤヒヤするわ。

小さなおねがいの中にこんな意味が隠されてるなんて気がつかないんだろうな。

とここまでは私のシンデレラ考察。

反抗期の受験生エピソード
知り合いの話である。
その年、彼女の家で反抗期バリバリの娘が受験を控えていた。

受験のイライラも重なるのか娘が何やっても怒ってくるし、何も話してくれないと嘆いていた。
私の知り合いは本当になるべく娘を刺激しないように毎日過ごしていた。
(そんな時期だとちゃんとわかってるのが彼女の素敵なトコロなのだ。)

そんな娘ちゃんが、受験前日の朝
「キャラメル買っといて。明日持ってく。」と言いだしたというのだ。

そして私の知り合いは…忘れた。

「普段めっちゃ反抗してるけど流石に受験日は応援されて行きたい。熱苦しくなく。+なんだかんだ私を支えてくれた母さんに私が喜ぶことのヒントでもやるか。」その象徴がキャラメルなんじゃん!なぜ忘れるー?!
聞いてるこっちが焦った。

続く話はこうだった。

キャラメルって普段買わないから売り場通らないのよ。
お兄ちゃんグミが好きだから切らさないようにしててそっちは通るんだけど。
キャラメル忘れたって言ったらさ、娘にニラまれて、
「グミならあるけどグミはダメなん?」
って聞いたらむっちゃ怒って
「アンタはほんまに人をイラつかせるのが上手やな!」って部屋にあがっちゃった。
やばいと思って旦那にLINEして仕事帰りに買ってきてもらって
もう私はコワイから旦那から渡してもらった。旦那は「渡した時全然普通やったでー。ありがとうって。」

「ゆ、許された!」良かったぁ。聞いててホッとしました。

娘ちゃんも安心しようと思ってキャラメル頼んだんだから、なんか途中イライラもあったけどこれも「いつも通り」だし、お母さんはビビってもなんだかんだキャラメルを手配してくれる。まぁ明日の受験もなんとかなるか。みたいに安心したんだと思います。

シンデレラに戻る
シンデレラのお父さんがハシバミの小枝を忘れてたらシンデレラは
「アンタはほんまにあてにならんな!!」とか荒れてたかもなと思った。

そういうわけで

「なんだそれ?」っていうおねがいごとをされたとき
それができることなら、小さいことほど、なるべく真剣に対応しようと思う。

何がそこに秘められているか全くわかったもんじゃない。

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