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[詩のようなもの]わたあめをつくるみたいに

電源を入れて
しばらくすると

機械の中心から
たくさんの白い糸が
あらわれて
フワリフワリと
おどってみせます

わりばしを手にとり
その白い糸たちを
円を描くようにして
からめとってゆきます
クルクル クルクル

だんだんと
かたちができていくその間
わたしは
あまりなにも考えてはいません

りそうの大きさに
なったら
わりばしを回す手をとめて
できたわたあめを
だれかにやります

そして私は
またあたらしい
わりばしを
てにとるのです

わたあめつくりにあきるまで
これはつづきます
あきてしまったら
その日はそれでおわりです

ゆきだるまみたいなわたあめを
つくろうとして
ぜんぜんべつのものが
できたりもします

これはなにのかたちかな
そんなふうに考えることも
あります

できてしまった
わたあめを
だれにわたしてよいのかを
わからないときもありました

じぶんでたべて
もういちど
わたあめつくりに
とりかかる
そんなほうほうも
あるんです

さいきんわたしは知りました
空にうかべるほうほうを

空にうかんだわたあめに
ときどきだれかが気がついて
「あの雲なんだ?」
首をかしげてくれるんです

わたしはそれが
嬉しいです
こたえは
わたしもしりません

なんのはなしですか


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