初めてヨーガ教室に行ったときのこと
私は子供の頃から体が硬く、前屈をすると床から指先の間が20cm以上は空いていました。また、脚をまっすぐにして座る長座も胡座も背中を丸めないとできませんでした。そして、ひどい猫背。腰や背中をまっすぐにすることができないのです。
ヨーガへの憧れはあったけれど、そんな私には絶対にできないだろうし、そんなおしゃれな世界は自分には無縁だと思っていました。
けれども、「覚醒のヨーガ」に感銘を受けた私は、「気がついたら」というくらい躊躇なく畠山先生のヨーガ教室に申込んでいました。
初めて行ったヨーガ教室のことをよく覚えています。
ドキドキしながらお教室に伺うと先生に優しく出迎えられ、着替えを済ませて、神経を落ち着かせるためにヨガマットに仰向けになりました。
ヨーガは胡座の状態で先生のお話を伺い、お祈りや感謝の気持ちを捧げることから始まり、それから体を動かしていきました。
私はほかの生徒さんのように胡座をかけず、ぷるぷる震えながら背筋を伸ばそうとしながら倒れないようにするのが精いっぱいで、滝のような汗が流れました。
そして、見よう見まねで先生の動きについていこうとしますが、うまくできません。
けれども、先生の「たくさん呼吸して」「たくさん吐いて」「意識的に体を動かして」という言葉に注意を払って実践しようとしました。
最後にシャバアーサナ(脚と腕を少し開いた仰向けの状態)のポーズで休んでいると、「これが自分を客観的に観ているということなのかな?」とわからないながらも、これまで感じたことのない不思議な感覚、そして落ち着き、安心感を感じました。
そんな感覚を味わっていると、ティンシャのチーンという高い澄んだ音が聞こえ、その感覚を壊さないように先生のガイドに従ってゆっくりと起き、胡坐で合掌をして終了となりました。
ヨーガが初めてで「ヨーガって何だろう?」というレベルの私でも、先生のヨーガレッスンはポーズをとってストレッチをして、リラックスするだけのものではないことがわかりました。
それは、ヨーガレッスンを終えたあとの自分の意識の状態が来た時と変わっていることが感じられたからです。それが客観視や俯瞰する意識と言われるものなのかはわかりませんでしたが、それまで感じたことのなかった繊細な不思議な感覚でした。
その感覚を壊さないように帰ってくださいね。
先生のその言葉を胸に、儚い感覚を大事に大事に味わいながら家に帰りました。