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動けない朝 と 昼間の絵

新卒で2社目のバイト先に、また行けなくなってしまった。


何年も働きづつける自信はないので、正社員ではなくアルバイトとして応募したのだ。そう、ヨガスタジオだ。ヨガをやっていれば心身ともに健康でいられるだろうというなんとも単純な考えからだった。もっと現実的な問題は、早くなんでもいいから働きたくて、1番に内定をもらったのがここだったからだ。

2ヶ月前に適応障害で前職を辞めたと正直に話したのに、採用してくれた。店長にはとても感謝している。そして尊敬している。とっても怖いが、仕事熱心で、会社が好きで、人のことを育てる力に長けている人だ。こんな私をなんで採用してくれたのか聞きたい。

やっと2ヶ月が経った。なのに。私のメンタルは2ヶ月が限界なようだ。前職もそうだった。本当に自分が惨めになる。どうしてこんなに弱いのかと考える。だが他人と比較しても仕方がない。色々な特性を持った人が生きているからだ。2度目なのである程度ポジティブに考えられるようになっている。そうでもしないと生きていけない。それでも消えてしまいたいという願いは消えないままだ。

ベッドから出られなくなったので、休みをもらって今日で2日目だ。ベッドから出られないというのが初めてだった。他人の経験談を読んで、本当なのかと思っていたが、本当に心と体が一致しないこともあるのかと思った。心ではあと何分後のバスに乗らなきゃ、と思っているのに体は一向に動かないのだ。そして時間が経つごとに思考が停止してくる。

出勤時間になって、行くのを諦めて今日は休もうと思ったら動くことができた。罪悪感でいっぱいだった。それでも食欲と睡眠はとれていた。朝ごはんを軽く食べ、そのまま頭に浮かんだ目的地へと向かうことにした。家から20分ほど歩く駅から、電車に乗ってついた場所は隣の隣くらいの市だ。幼少期に1、2年ほど通っていたが、そこまで思い入れはないのになぜだか引き寄せられた。前から気持ちが暗くなると、仕事終わりでも行きたいと思う場所だった。

目的地につき、とりあえず駅前のベンチに座った。

別に観光がしたいわけでもなく、目的はなかった。思考力もなかった。ただひたすら座って日曜日の観光客を一人で眺めていた。直射日光のおかげで少しは元気を取り戻したと思う。何時間か経つと、交差点の先に喫茶店のようなカフェを見つけた。お客さんは入っていないが、Openと掲げられていた。

ドアを開けるとテレビで暇を持て余しているおじさんが出迎えてくれた。というよりは私からこんにちは〜と声をかけた。一番奥の席に座り、持ってきてくれたメニューを10分くらい凝視していたと思う。結局焼きサンドセットにした。たくさんの種類のコーヒーがあったので、コーヒーに力を入れているんだなと嬉しくなった。

そして出来上がるまで本を読んだ。目の前の四角い窓から、レトロな駅が見える。青空と、後ろには紅葉し始めている山。まるで絵のようだった。思わず写真を撮った。そうしているうちに湯気のたつコーヒーと、手作りのホットサンドが運ばれてきた。なんだかほっこりした。幸せだ〜と。これでまた今日も生きていけると思った。

それからそこには1時間半くらい滞在した。混んできたのでお店を後にする。

1時間に1本の電車に間に合ったので、特に急ぐ必要もないが、乗ってみた。祖父の家に泊まろうとパジャマまで持ってきたのに、結局眠すぎて途中の駅で降りる気になれず、終点の最寄り駅まで寝て、家に帰った。

そしてそのまま部屋で5時間ほど昼寝をした。

その日はゆっくりと時間が過ぎていった。


あれ、今日思いついた未来のビジョン語ろうとしたのにな。


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