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21.スタジアムへのアクセス

1.はじめに

試合観戦の受け皿であるスタジアム。スタジアムへの通い易さは、当然集客において重要なポイントになると思います。そして、その集客はクラブ運営や、観客の盛り上がりに深く関わりますね。

今回は、そのアクセスについて考えてみました。

2.現スタジアム(えがお健康スタジアム)

(1)アクセス方法

ロアッソ熊本がホームゲームで使用している、えがお健康スタジアムへのアクセスは以下の通りです。

①自動車(メイン駐車場:約1,000台)
②JR光の森駅からシャトルバス(約15分)
③桜町バスターミナルからバス(約50分)
④その他(バイク、自転車、タクシー、徒歩

というのが、スタジアムへのアクセス方法となっています。

この内、が公共交通機関で通えるアクセスとなります。に関しては、ゆめタウン(光の森)の駐車場の利用案内がされる事もあり、自動車⇄シャトルバスという場合もあります。

内訳は分かりませんが、熊本の場合は自動車でのアクセスの割合が多くを占めているのではと思います。それにより、「駐車場の不足」「試合後の混雑」に至るケースも。今季は無料招待券を廃止したとされていて、コロナ禍の影響もあり、それらはあまり問題となっていません。ただし、集客増を目指す上では、必ず立ちはだかる課題になると思います。

しかし、駐車場の新設には県も難色を示している様で、やはりの利用を促進したいところ。ですが、コロナ禍においては、バスの車内にて他者と密になるシチュエーションを嫌煙する人もいるでしょうか…何をするにもコロナが収束しないと難しい😓

あとは、駐車場の活用方法も重要な視点かと思いますが、私には思いつきませんでした…🫠

個人的には、コロナ収束後に実施してみてはどうかなと思うのが、「シャトルバス無料デー」。シャトルバスは往復420円(こども220円)。例えば家族4人(大人2人小学生2人)だとすれば、1,280円となります。前売りチケット代(4人分:約7,000円)を踏まえると、そこが無料となれば、割安感を得られるかなと思います。無料招待券と比較すれば、集客効果は薄くコストもかかる事かもしれません。ただし、駐車場を圧迫しない集客方法の1つではあるかなと思います。JRやシャトルバス利用のきっかけにも。あとは駐車場が足りない事を逆手にとって、スタジアムまで歩く"ナイトウォークラリーイベント"などもどうでしょう🤔行きはシャトルバスで。(…需要無いかなw)

(2)所要時間

2018年のJリーグ観戦者のデータに、熊本(J3降格前)についても調査されています。このうち「スタジアムへの所要時間」についても示されていて、熊本の場合は平均33.5分(30分以内が67.3%)という結果。Jクラブ全体の平均は53.7分で、約90分のクラブもあります。これは意外にも当時のJ1・J2合わせて、40クラブ中3位という数字。

この結果の理由としては

○自動車で通う人の割合が多い
➡︎公共交通機関と比較し、乗り継ぎや待ち時間を要さない

○近くに住むサポーターの割合が多い(30分圏内)
➡︎東区や菊陽、益城など

という事が反映されている可能性があるかなと思います。(※あくまで代表値に対する個人の見解です)

この"所要時間がかからない"というのは、本来なら集客において好材料となるはずです。ただ実感としては、ほぼ自動車でしかいけない現スタジアムは、「アクセスが悪い」と感じている人は多いとは思います。

その理由としては
①駐車場が不足・帰りが混雑する事
②駅から直接通えない(バスへの乗り継ぎが必要)
③周辺に何も無い


といったところでしょうか。③については、賑わいづくりや相乗効果という上で、勿体無いとは思いますが、通いやすさへの直接的な影響とは言えません。やはり問題なのは①と②。今出来る事としては、自動車以外のアクセスに繋げる事や、帰りの時間を分散させる取り組み等しか現状では難しいかなと思います。

3.新スタジアムでは?

(1)公共交通機関の利便性

スポーツ庁も示していますが、"多くの集客が見込め、多様な世代が脚を運べる"ような立地・アクセスが理想だと思います。それを可能にする為には、様々な移動手段でアクセスできる事が望ましいかなと思います。

熊本の現在のスタジアムでは、公共交通機関でのアクセスに不便さがあります。ただ、公共交通機関が利用しやすければ、学生や年配の方が通いやすくなるなど、幅広い世代に対応できると思います。(あとは、運転しなくてすので飲酒も…😚🍺)デメリットとしては、先程も述べたとおり、移動費や所要時間がかかるという事でしょうか。

都市型スタジアムでは、公共交通機関や徒歩でのアクセスをメインとして、駐車場をほとんど設置していない場所もあります。これは、交通渋滞を招く事なく、公共交通機関の活性化にも寄与する。熊本でも街なかであれば、ある程度成立するかもしれません。

(2)JR・市電の輸送量

各所の新スタジアムでのトレンドとも言える「駅近スタジアム」。集客に強い後押しになると思うので、熊本でも実現して欲しいと思います。ただし熊本の場合は、公共交通機関(JR・市電)に完全に依存する事は難しいのではと個人的には思います。

以下に、水前寺競技場へのアクセスを例として考えてみました🧐

ーJR(水前寺駅)ー

□水前寺駅の1日の平均乗降者数は約7,000人
□豊肥本線は1時間に上り3本、下り3本程度。
□815系の2両編成だと、最大定員は271人。

1時間の乗客輸送量(上り下り)を単純計算すると…
271(人)×3(本数)×2(上り下り)
最大1,626人

他の乗客もいる事を考えると
観客の有効利用数(1時間)は、この半分くらい(800人程?)でしょうか。行きは数時間に分散されますが、帰りはどうでしょう🤔

ー熊本市電(水前寺公園前)ー

□水前寺公園前の1日平均乗降者数は約1,500人
□健軍、田崎橋・熊本駅、上熊本から1時間に5本程
□ワンマン車両で定員約70人

1時間の乗客輸送量(3方面)を単純計算すると…

70(人)×5(本)×3
最大1,050人

試合開催日である休日は、市電は既に混雑していて乗れずに見送る事も。そうした事からも、実際の観客の有効利用数はこの半分も届かない(400人程度?)のでは無いでしょうか。増便も可能かもしれませんが、団子状態となって発着のタイムラグが起きても問題かなと思います。

(3)公共交通機関の限界

水前寺競技場で開催していた頃は、だいたい5,000人(最大で8,000人)程度だったと思います。
先程も述べとおり、現在のJRや市電の輸送量のままだと、20,000人を目指すのには限界があるのではと感じます。また、試合後に数千人が一斉に帰路に着く事で、駅や停留所でかなりの待機列ができる可能性もあると思います。これは、一般利用客の批判対象ともなるのでは無いでしょうか。他にも路線バスもありますが、大量輸送という点では同様かと思います。

都市部の場合は、あらゆる方面へ数分おきに電車は来ます。更に10両以上編成の場合もあり大量輸送を可能にしています。それと比較すれば、熊本におけるJRの輸送量や利便性は当然高くありません。

身近な例として、鳥栖のスタジアムでは、駅から300m程で、試合時には増便される事もあるようです。しかしながら、それでも約1000台のスタジアムの駐車場は埋まり、周辺の有料駐車場を占領しても足りず、駐車場難民になる事もある様です。

また、先程の観戦者データによると、同伴者のうち家族連れが53.6%と最も多いという結果がありました。家族連れとなれば、自動車でのアクセスの方が好まれるかなと思います。

なので、「街なかなら集客面も簡単にクリアできる」という訳では無く、メリットも大きいが工夫も必要だと思います。熊本市内は、政令市ワーストとも言われる大渋滞が起きる現状であっても自動車利用が減らないという事は、公共公共交通機関の利便性が高くないという事も表しているのでは無いでしょうか。社会の熊本においては、街なかであっても自動車でなければ通いにくい人も多い可能性があると思います。

対策としては、郊外の大型駐車場や、熊本駅からのシャトルバスなどの工夫が必要かなと思います。逆に街なかで混雑することで、将来的に公共交通機関が発展する事はあるかもしれませんが…

個人的には、有料予約制の駐車場を小規模でも敷地内に設備して欲しいと感じます。ただし、土地の確保や渋滞問題もある為、これは意見が分かれるところかなと思います😅

また、熊本競輪場は2024年の再建に向けて、2022年10月より改修工事が始まるようです。そこには500台ほどの駐車場が整備されるようです。もし水前寺競技場にスタジアムができた場合には、その辺りとの影響も考える必要があるかもしれませんね🤔

また、駅周辺に駐車場を整備できる立地も、車社会の熊本にはあっているかなとも思います。それが可能な場所(市内から約20分圏内)となると、熊本市西区、南区、菊陽、宇土、宇城あたりでしょうか。街なかのメリットは得にくいかもしれませんが、JRと自動車どちらでも通えるようなスタジアムも、それはそれでメリットがある事かなと思います。ただ周辺道路の混雑具合等は、調査が必要と思います。

4.最後に


今回はスタジアムのアクセスについて考えてみました。集客は、様々な要因に左右されますが、スタジアムに気軽に通える事は重要かなと思います。それぞれの居住地により感想は様々でしょうが、現スタジアムも他所と比較して、"通う時間はかからない人が多い"という事。アクセスだけが集客の問題では無いのかな。とも言えるかなと思います。もちろん、帰りの心配の大きさはまた、別問題ですが…

新スタジアムでは、他所のケースを参考にしつつも、様々な検証をした上で、熊本にあった候補地の選定や、対策を計画して欲しいと思います。個人的には、公共交通機関でも自動車でも通える様なスタジアムが望ましいかなと感じます。

また、サポーターなら誰しも、「自分の生活圏にスタジアムを」と願うと思います。ただ候補地によって、スタジアムの活かし方、課題との向き合い方も様々だと思います。

なので、個人的には特定の場所に固執せずに、早期実現を目指していける事が重要かなと思っています。スタジアム建設地妄想シリーズも、他にも挙げていければと思います。(いつか誰かに怒られるかもしれませんが😅w)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️
熊本のサッカースタジアム建設に向けた議論や、機運に繋がればと思います😄

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