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14.スタジアム建設の"課題"とは

新スタジアム完成に至った例もあれば、構想の公表から足踏みしている例や、白紙に至った例などもある。

それらの例を紹介しながら
課題(①建設費、②騒音、③渋滞、④個人商店への影響、⑤環境、⑥コロナ禍)について考えたいきたい。

スタジアム建設の課題

①建設費

□日本のスタジアムの場合、大半は国や自治体が負担している(税金で賄っている)。
数十億〜数百億という数字は、一括ではほぼ困難。負債としてかえしていく形となる。

□秋田の場合は、「100億のウチ70億は民間で」との知事からの提案もあった。


□また、関東一部に所属している、栃木シティFC(前栃木ウーヴァ)の新スタジアムでは、官民共同の地域密着型スタジアムとして建設されたが、公益性などの反発を受け、訴訟問題(固定資産税免除の不当など)にまで発展している。

②騒音

□周辺に住宅地があるケースでは、騒音を不安視する声もあるよう。

③渋滞

□自動車が主なアクセスとなる立地の場合、試合前はもとより、試合後は大渋滞に陥る事も。

④個人商店への影響

□海外の例に習いショッピングモールを併設する構想の場合、「個人商店の閑散に繋がるのでは」といった趣旨の不安もあるよう。

⑤環境

□京都のスタジアム建設では、周辺の川に生息する「アユもどき」の生態系への影響を懸念する声があった。環境保護団体からは、建設地への反対の運動も。

⑥コロナ禍

□吹田スタジアムの場合
2019年平均入場者数は、27,708人と昨年度比18%増加。しかし、コロナ禍の2021年は16,699人。

雑感

①の建設費について

 どこの建設地でも、議論の中心になるかと思います。悪しき政治の批判対象として、ハコモノ行政というものがあります。建設に重きを置いた政策で、その後開発費用の回収が出来ないという始末。さらにランニングコストに税金がかかるのであれば『税金の垂れ流し』との厳しい批判も当然。赤字を上回る税収効果や、需要の高さが打ち出せればまだ良いかもしれませんが、悪い前例も多いと思います。

 甲府の場合は、前知事より構想が発表されたものの、収益などの"具体的な数値が打ち出されなかった"事などから、議会にて与野党からの反発を受けたと言います。その後、知事交代により白紙に至っている様です。
 つまり、コストを抑えたり、収益化に繋がる工夫、税収変化などについて、試算を示す事は必須となると思います。しかし、試算した数値よりも、後から大きく変動する様であれば、それも市民の不信につながるので、正しく算出することも重要だと思います。

 また、収益化への取り組みとしては、北九州の様に、民間企業のノウハウを活かす、PFI方式などが課題解決の糸口でしょうか。各所の新スタジアムの前例なども根拠となるでしょうが、このコロナ禍においては、参考にしにくいところもあると思います。
 他の解決策としては、"民間主導での建設"でしょうか。これが可能であれば、批判的な意見も減るかなとは思います。各所で様々な取り組みが出てきていますが、これについては、また別の機会に取り上げたいと思います。

②騒音

 屋根の反響を想定した角度にするなど、構造の工夫によっては、ある程度対策は取れるかもしれません。ただ、騒音を気にしていたら、スポーツのみならず、他のイベントでの使用が制限される事になると思います。やはり、住宅地周辺を避ける必要はあると思います。

③渋滞

 道が混在すれば、スタジアムに用の無い地域住民にとっては、不満に思うのは当然。特に、熊本市中心地は慢性的な渋滞となっており、度々問題として話題になります。もし、『街中スタジアム』を作るとなった場合、渋滞をさらに悪化させる事が予測され、批判対象となると思います。自動車以外のアクセスを可能とする立地(駅やバスターミナル周辺)や、駐車場の分散、経路の工夫が必要になると思います。予定地周辺の幹線道路の交通量なども、検討材料になると思います。

④個人商店の閑散

 大型ショッピングモールへ人が集中する事は、個人商店の方々にとっては悩みの種だと思います。もし、ショッピングモールを併設される事になったとしても、周辺の個人商店へ回遊性のある取り組みの工夫などが解決には必要になると思います。数千〜数万人の人流を生かすも殺すも工夫次第といったところでしょうか。

⑤環境問題

 川や山周辺など、自然破壊に繋がる様な立地は、まず避けるべきでしょうね。また近年のスタジアムでは、太陽光パネルを設置し、その電力で賄う取り組みが増えています。SDGsが叫ばれている昨今では、環境への配慮としてアピールできると思います。電気料についても徐々に高くなっていくとも言われますが、費用対効果も判断材料となるでしょうか。

⑥コロナ禍

 観客動員数については、どのスタジアムでも人数制限等の影響もあり減少。それによる観客収入も想定を下回る形に。新スタジアムは建設されてきていますが、現状では、その実績を根拠としにくい。スポンサー企業によっては、危機的状況で協賛撤退などもあるかもしれません。
 また国や自治体も、コロナ対策に伴う様々助成等に、毎日数十億とも言われる税金が飛んでいると言います。コロナに振り回されている現状では、まず難しいと思います。コロナが治まる事は大前提だと思います。

まとめ

 今回挙げた課題はごく一部でしょう。例えばホームスタジアムが移れば、現在使用している運動公園の活用方針の見直しも必要になると思います。また、建設予定地によって課題も変わるでしょうし、構造上の課題も出てくるかもしれません。一般人の私でも、多くの課題が想定できる程、山のようにあると思います。せめて、コロナが落ち着いて、建設されてきている各所の新スタジアムにて、良い前例が増えてくれれば良いのですが...

『出来ない理由を探すな、出来る理由を探せ』


・・・と、たまにウチのボスは理不尽にも言いますが、課題を想定した上で取り組んでいけば、糸口が見つかるかもしれません。

多く方の目に留まり
新スタジアム建設の議論のきっかけになればと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️


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