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黄色信号は注意して進めじゃない?

信号機は車両を運転する際に使う以外にも、日常生活やビジネスで様々な比喩表現に使われる。たとえば青信号は「進め」「順調」、黄色信号は「注意」「警告」、赤信号は「止まれ」「アウト」等、状態を表す比喩として使われたりする。日常的なイメージからは黄色信号は「注意」という意味がありそうだということから、車両の運転においても「注意」「注意しながら進め」と捉えられたり、実際にこのように書いてある書籍もあったりする。

道路交通法における黄色の灯火の意味は?

しかし、法律で規定されているところの黄色信号の意味は、実は異なっている。道路交通法では黄色信号 (黄色の灯火)は以下のように規定されている。

一 歩行者は、道路の横断を始めてはならず、また、道路を横断している歩行者は、すみやかに、その横断を終わるか、又は横断をやめて引き返さなければならないこと。
二 車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置をこえて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。

つまり、基本は黄色信号になったら、まだ交差点に入っていない場合は「進行してはならない」であり、安全上問題がある場合だけが例外として除かれることになる。

黄色の点滅信号の意味は?

黄色の信号は他にもいくつか存在する。黄色の点滅信号 (黄色の灯火の点滅) の場合は、道路交通法には以下のように定められている。

歩行者及び車両等は、他の交通に注意して進行することができること。

交差点や横断歩道の信号では、一灯式、または三灯式の信号機の黄色部分が点滅しているものがあり、車両は他の車両や歩行者に注意しながら進むことができる。

カーブや坂等で交差点の信号機が見えにくい場所では、手前に「予告信号」と表示された信号機が黄色く点滅していることがある。これも意味は基本的には同じで、前方に信号機のある交差点があるため注意して進行せよとの意味である。一灯式、二灯式、三灯式など様々な形式が存在する。

黄色の矢印信号の意味は?

他に黄色の矢印信号 (黄色の灯火の矢印) の場合がある。道路交通法には以下のように定められている。

路面電車は、黄色の灯火又は赤色の灯火の信号にかかわらず、矢印の方向に進行することができること。

つまり、路面電車用の信号機であり、通常の車両や歩行者には関係ない。たまに、一つの信号機の中で路面電車用と通常の車両用の灯火がある場合があるので注意が必要である。

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場所: 東京都荒川区 熊野前交差点
この交差点は進行方向と並行に路面電車が通っており、下型の3+1灯器の一番左の黄色い矢印は路面電車用の信号である。

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