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割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイント③

 「強みと言われてもねぇ・・・」ある経営者に同社の強みを尋ねたところ、この方は考え込んでしまいました。小規模事業者における戦略の王道は強みの活用・強化ですが、その強み自体を自覚していなければ、活用も強化も困難であることは当然のことです。

 下図は当補助金申請のルールブックとも言える公募要領内「審査の観点」であり、これに基づいて計画書は審査されることになっています。そして、審査項目には赤枠部分のように強みに関する項目が2か所あり、採択されるためには自社の強みを適切に把握し、それを今後のプランに活用することが求められています。

 これを踏まえ、当記事では小規模事業者持続化補助金の採択を引き寄せるために<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」をどのように記載するべきか、下記サイトからダウンロードできる割烹料理店の計画書記載例を用いて、そのポイントを見ていきます。

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 以下は、今回見ていく記載例ですが、弊社が加筆した吹き出し部分などがそのポイントと考えており、以降でそれぞれを解説していきます。なお、今回の記事は2022年6月25日現在の情報に基づいています。

1. 割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3(1)ハード面の強みを記載する

 当欄を記載する際に、思いつくまま強みを列挙するのは、強みの洗い出し方として効率の良いものではありません。そこで例えば経営資源の構成要素である「人」「物」「金」「情報」や、マーケティング戦略の要素である「商品」「価格」「チャネル」「販売促進」といった切り口を用いることで、観点が整理され、効率よく多くの強みを見出すことが可能になるでしょう。

 当記載例では、施設・設備・機器・道具といった有形資産である「ハード」、人材・技術・意識・情報といった無形資産である「ソフト」を切り口として使用していますが、ハード面の強みとして、多様な形や大きさの個室が完備されていることが示されています。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3(2)ソフト面の強みを記載する

 当記載例では、ハード面に対してソフト面の強みとして、職人の腕や店舗のポリシー、オーナーの経歴などを述べています。小規模事業者の強みとして真っ先に着目したいのはこのような「人」に関する強みです。

 特に経営者の経歴は、競合他社が真似をしようとしても困難なものですから、強みとして認識しておきたい部分です。そのような経歴を活用した事業展開の事例は以下のサイトを参考にしてください。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart3(3)因果関係を意識する

 持続化補助金の計画書を数多く見てきた中で、当欄に記載された強みで散見されるのは「当店の商品は顧客から好評を得ている」といった、好ましい「結果」を記載しているケースです。強みはその好ましい「結果」をもたらした自社内の経営資源を指すはずですから、このような記載は強みを述べているとは言えないはずです。

 記載例の黄色い下線部分には「オーナーシェフは京都の老舗料亭や東京のホテルで10 年間修業経験があり、メニューの創作能力が高く、お客様の評判もいい」とあります。これは「お客様の評判がいい」という好ましい結果をもたらした経営資源が、オーナーシェフの経歴に基づくメニューの高い創作能力だということであり、これが強みと言えます。

 このように、原因と結果を丁寧に繋ぎ、好ましい結果をもたらした原因を強みとして認識・訴求することが、公募要領の「審査の観点」に記載のある「強みを適切に把握」したことになるのではないでしょうか。

 今回の記事では、割烹料理店の計画書記載例の中で<経営計画>「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」を取り上げ、採択を引き寄せるポイントとして(1)ハード面の強みを記載する、(2)ソフト面の強みを記載する、(3)因果関係を意識する、を挙げました。次回は引き続き「4.経営方針・目標と今後のプラン」を見ていきます。

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