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持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方

 同店は、鞄の企画から製造、販売までを手掛けていますが、新たな鞄の開発とカタログ制作に要する費用の一部を小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)で調達することとしました。そこで、弊社のご支援を受けながら、当補助金に申請するべく計画書を作成し、結果として採択されました。

 これを受け、同店の計画書をもとに、採択の可能性を高める計画書の作成について、そのポイントを6回に分けて述べていきますが、今回は<経営計画>「1.企業概要」のポイントを見ていきます。

1. 持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]

持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]①時系列で説明する

 同店は当欄に【創業までの道のり】【創業から現在まで】という見出しを設けました。まず【創業までの道のり】という見出しのもと、代表が会社員時代に何をしていたのか、代表と鞄の関わり、創業のきっかけといった内容を記載しました。また【創業から現在まで】という見出しのもと、創業後の主な出来事を述べました。

 今回見ている<経営計画>「1.企業概要」は、自己紹介の役割を果たしますが、このように自店を時系列で説明することは、どのような店なのかが分かりやすく、採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]②ビジュアルに訴求する

 同店が企画・製造・販売する鞄の特徴として、地元の伝統工芸を活かした素材を用いたり、色・サイズ・素材をアレンジしたり、自由に組み合わせたりするカスタムオーダーが挙げられます。このような商品の特徴を文章で説明するだけでなく、鞄の写真を当欄に盛り込みました。

 自社の商品を写真も使って説明することは、理解が深まるとともに、文章で説明されるよりも理解に要するスピードが短く、理解も深まることが期待できます。このようにビジュアルに訴求したことは、同店が採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[企業概要編]③自店を数値で説明する

 同店は、開業から計画書作成時点までの期間における、売上高と利益の大きい商品上位5点をピックアップし、商品名、売上高、売上総利益を記載しました。このように、数字で自店の状況を説明することは、客観的に自店の状況を把握していることになりますので、それに基づく経営計画の妥当性が高まると言えます。

 補助金を申請する際にルールブックの役割を果たす公募要領は、当補助金においても公開されていますが、その中には審査項目が示された「審査の観点」があります。この中に「自社の経営状況分析の妥当性」として、自社の経営状況を適切に把握しているかという内容の記載があり、数値で自店の状況を説明したことは、採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

 今回の記事では、当補助金に採択された鞄店の計画書に基づき、採択を引き寄せる<経営計画>「1.企業概要」の記載ポイントとして、①時系列で説明する、②ビジュアルに訴求する、③自店を数値で説明する、を挙げました。次回は「2.顧客ニーズと市場の動向」のポイントを見ていきます。

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