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【事例で理解する】経営革新計画の策定で得られる本当のメリット3選

1.経営革新計画を策定するメリットとは


 地元の商工会・商工会議所の方や、金融機関の方に経営革新計画の策定を勧められた事業者の中には、そのメリットがイマイチ理解できない方も多いものです。

 この記事では、200件を超える経営革新計画の策定に携わった経験をもとに、経営革新計画を策定するメリットをお伝えしていきます。

 この記事でお伝えする経営革新計画策定のメリットは、①無料で専門家の支援が受けられる②マーケティングの武器として使える③補助金制度で有利になる、です。以下で詳しく見ていきますが、まずは経営革新計画の概要を説明します。

2.経営革新計画とは

 経営革新計画は、中小企業が新規事業に取り組むことで業績を向上させることを目的とした経営計画であり、47都道府県で取り組まれています。以下のリンクは全国トップの件数を叩き出している埼玉県における経営革新計画のご案内です。

 なお、経営革新計画における新規事業とは、以下のいずれかに該当する事業を指します。

  1. 新商品の開発または生産

  2. 新サービスの開発または提供

  3. 商品やサービスの新たな生産または販売方式の導入

  4. サービスの新たな提供方式の導入

  5. その他の新たな事業活動

 このような新規事業をテーマに経営革新計画は作成されますが、その内容が都道府県の審査を通過すると、計画の承認が得られ、低利融資や保証制度などの支援策があります。

 ですが、そのような支援策を活用する事業者は多くない印象があります。これまで多数の経営革新計画策定のご支援をしてきた経験から、多くの事業者が活用している印象のメリットは、以下のとおりです。

3.経営革新計画のメリットと事例

(1)無料で専門家の支援が受けられる

 商工会や商工会議所などの商工団体の会員であれば、原則として専門家派遣制度が利用でき、無料で専門家の支援を受けながら、経営革新計画を策定することができます。商工団体は、その事業者にマッチした専門家をチョイスしますので、自社の課題に沿った支援を受けることが出来ます(たまに外れることもあります)。

 新規事業のアイデアがなくとも、専門家との面談を繰り返す中で、そのようなアイデアを見出すことが出来ますし、新規事業のアイデアがあるものの業績拡大に結び付くか不安に感じる場合も相談に乗ってもらえるでしょう。また、新規事業以外の内容に関しても併せて相談することが可能です。

「相談すれば安心できるっきゃね」

(2)マーケティングの武器として使える

 経営革新計画の承認を得ると、都道府県知事の名前の入った承認書が発行されますが、これをマーケティングに活用することが可能です。

 業績に苦しんでいたある雑貨店は、地元商工会から派遣された専門家とともに経営革新計画を作成し、県から計画の承認を受けました。そこで、計画の内容をA4用紙1枚にまとめ、承認書のコピーとともに複数の新聞社にFAXしたところ、取材の申し込みがあり、新聞記事となりました。これが大きな広告効果を発揮し、売上が12年ぶりに前年を超えました。

 また、コロナ禍で今後の事業展開に悩んでいたある居酒屋は、新メニュー開発をテーマとした経営革新計画の承認を取得したことを受け、「〇〇知事が認めた計画に基づく◎◎料理、新発売!」といった内容の告知を行い、売上を倍増させました。

 このように、行政に認められた計画を保有しているという事実は、周囲からの信頼感を高め、マーケティングへの効果が期待できます。

(3)補助金制度で有利になる

 経営革新計画の承認を取得すると、「ものづくり・商業・サービス生産性向上補助金(通称ものづくり補助金)」の審査で加点となります。この補助金は2024年3月27日に締め切られた第18次の募集回においては、補助率は従業員規模や計画の内容によって1/2~2/3、補助上限額は750万円~4,000万円となっている大型の補助金です。

 ある製造業は、作業の自動化のための設備投資をテーマとした経営革新計画を策定し、承認を取得しました。その上で、当補助金に応募したところ採択となり、1,000万円の補助金を手にすることが出来ました。

 また、事前に経営革新計画の承認を取得し、希望する補助金の公募が始まったら、経営革新計画の内容をベースに補助金の計画書を作成し、採択された事例は多数あります。さらに、自治体によっては、経営革新計画の承認を取得すると補助金が支給される制度を取り入れているケースもあります。

4.まとめ

 経営革新計画を策定することは、自社のビジネスを強化し、成長を促進するための有力な手段です。この記事で紹介したように、経営革新計画を策定するメリットは、①無料で専門家の支援が受けられる、②マーケティングの武器として使える、③補助金制度で有利になる、という点にあります。これらのメリットを活用することで、新規事業の立ち上げや業績の向上に繋げることができるでしょう。

 なお、今回の記事を読んで、より経営革新計画を深く理解したい方や、経営革新計画を作りたいがどうすればいいのか分からないという悩みを抱えている方、経営革新計画のご支援をしているが、支援内容を充実させたいというコンサルタントの方は、以下のリンクからお気軽にお問い合わせください。弊社ホームページのお問い合わせフォームに飛びます。

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