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割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイント②

 「雨が降ったら傘をさす」経営の神様と呼ばれた故松下幸之助氏が発した言葉です。雨が降っても傘をささないと体が濡れてしまい、体温が奪われ、体調を崩しやすくなります。よって、晴天から雨天へ環境が変化したら、雨傘をさすという雨天に合わせた行動をとることで、体調を崩すリスクを遠ざけます。

 このことは外部環境の変化に企業経営を対応させる重要性を示しています。よって、外部環境がどのように変化しているのかを把握することが必要ですが、事業規模が小規模であればあるほど、経営者の現場における作業量は増えるのが一般的ですので、外部環境に目が向きにくくなります。

 小規模事業者持続化補助金の申請をする際に作成する計画書には、今回見ていく「2.顧客ニーズと市場の動向」があり、外部環境に目を向ける必要があり、弊社ではこれを機会に、日常的に外部環境へ意識を向けることをお勧めしています。

 当記事では下記サイトからダウンロードできる割烹料理店の計画書記載例を用いて、どのような外部環境に着目して当欄を記載するべきかを述べていきます。

【商工会議所エリア】

【商工会エリア】

 以下は、今回見ていく記載例ですが、弊社が加筆した吹き出し部分などがそのポイントと考えており、以降でそれぞれを解説していきます。なお、今回の記事は2022年6月24日現在の情報に基づいています。

1. 割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart2

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart2(1)見出しを設ける

 当記載例には【当店に係る顧客層、市場】【外食産業の市場】という見出しが設けられており、当欄の内容がグルーピングされているため、読みやすさが向上し、結果として読み手の理解が深まることが期待できます。

 この見出しを設ける際の留意点は、その欄に適した見出しを設けることです。当欄のタイトルは「顧客ニーズと市場の動向」ですが、例えばここに【自社の強み】【補助事業の内容】という見出しを設けたとしたら、求められている内容と異なってしまいます。書きたいことではなく、書くべきことを意識して見出しを設けましょう。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart2(2)顧客が利用する理由を記載する

 当記載例には、どのようなシーンで同店が利用されているのかが記載されており、この内容が顧客ニーズを表していると考えられます。そして、顧客ニーズをより明確にするために、そのシーンで顧客が達成したい目的を記載すると採択の可能性がより上がるのではないでしょうか。

 例えば、記載例にある「仲間内や習い事の集まり」で同店を利用する女性客は、同店の美味しい料理を家族にも振る舞いたいというニーズがあるかもしれません。これを記載し、それに応える補助事業を展開するというストーリーがあれば、補助事業を行う必要性を強く訴求できることに繋がるでしょう。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart2(3)出典を記載する

 市場動向に関する記述は、インターネットで検索した結果を述べるのが王道と言えますが、ネット上の情報は玉石混交ですので、情報の出所が信頼できるものであることを示すことが、説得力を向上させるでしょう。

 個人のブログから引用した情報と、公的機関のサイトから引用した情報では、読み手の納得度が異なることは自明の理と言えるでしょう。当記載例では市場規模を示していますが、その出所を述べて、情報の信頼度を高めています。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart2(4)数値を用いる

 当記載例では数値を用いて市場規模の伸び率を表していますが、このように状況を数値で説明することは、その説明に客観性が加わるので、説得力が高まると言えます。

 この際に意識したいのは、その数値を用いて自分の言葉で述べるという点です。単にネットで拾った文章をコピペするのではなく、その情報を自社なりに読み解いて、数値を用いて説明することが説得力を高めるでしょう。

 読み手は多様な計画書を数多く読み込んでいますから、記載されている文章が申請者の言葉なのか、借りてきた言葉なのかは容易に判断できます。借りてきた言葉は、採択を遠ざけるリスクがあることに留意しましょう。

割烹料理店の計画書記載例から見る持続化補助金の採択ポイントPart2(5)外部環境と補助事業の関連を述べる

 単に顧客ニーズや市場の動向という外部環境を述べるだけでなく、それを踏まえて今後自社はどうするつもりなのかを検討することこそが、外部環境分析の意義と考えられます。

 記載例は、外部環境に対応してテイクアウトやデリバリーを行うという内容を述べています。このことは外部環境の変化と補助事業との関連を示すことに繋がっており、外部環境の変化に自社の経営を対応させようとしていることがうかがえます。

 今回の記事では、割烹料理店の計画書記載例の中で<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」を取り上げ、採択を引き寄せるポイントとして(1)見出しを設ける、(2)顧客が利用する理由を記載する、(3)出典を記載する、(4)数値を用いる、(5)外部環境と補助事業の関連を述べる、を挙げました。これらを意識して説得力の高い計画書を作成しましょう。

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