持続化補助金の計画書記載例(板金加工)から紐解く採択のポイント(4)
「先のことなどやってみなければ分からない」と言う方がいますが、やってみる前に達成したい姿を描くことができなければ、それが実現する可能性は限りなく低いはずです。
小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)応募時に提出する<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」には、このような自社の達成したい姿や、それに至る方針・プロセスを記載することになります。
よって、当欄は「1.企業概要」「2.顧客ニーズと市場の動向」「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のように、過去から現在に関する内容ではなく、今後に関する内容を記載する点で違いがあることに留意が必要と言えます。
下記に示した持続化補助金ホームページでは、6業種の計画書記載例が示されていますが、今回の記事では板金加工の記載例を採り上げ「4.経営方針・目標と今後のプラン」の記載ポイントを述べていきます。
【商工会議所管轄地域で事業を営んでいる方向け】
【商工会管轄地域で事業を営んでいる方向け】
1. 持続化補助金の計画書記載例(板金加工)から紐解く採択のポイント(4)
持続化補助金の計画書記載例(板金加工)から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】①自社の業績を踏まえる
当記載例「4.経営方針・目標と今後のプラン」には<レーザー加工分野>という見出しの下に「(レーザー加工分野は)当社の商品の中で売上総利益率が良い」と述べ、これを踏まえた今後の方針を述べています。
このレーザー加工分野の売上総利益率が高いことは「1.企業概要」で述べており、これを踏まえた内容を述べたことは、現状に基づいた内容であると言え、採択を引き寄せるポイントと言えるでしょう。
持続化補助金の計画書記載例(板金加工)から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】②外部環境を踏まえる
当記載例では、<精密板金加工分野>という見出しの下に「既存の取引先は、年々廃業やM&A等で減少してきている」と述べ、これを踏まえた今後の方針を述べています。この取引先の減少という記述は、「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載された内容であり、このような外部環境を踏まえた内容を述べたことは、説得力が高いと言えます。
なお、公募要領「審査の観点」には「②経営方針・目標と今後のプランの適切性」として「経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。 」という記載があり、外部環境を踏まえた記述は、採択を引き寄せるポイントと言えるでしょう。
持続化補助金の計画書記載例(板金加工)から紐解く採択のポイント【経営方針・目標と今後のプラン編】③内部環境の強みを踏まえる
当記載例では、<その他>という見出しの下に「当社の技術を活かしたBtoC事業にも取り組んでみたい」と述べています。
この「当社の技術」が「単機能工作機械からでも多彩な加工品を生み出すことが出来る熟練工の技術」という強みであることを「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」で述べており、このような内部環境の強みを踏まえた内容を述べたことは、説得力が高いと言えます。
なお、公募要領「審査の観点」には「②経営方針・目標と今後のプランの適切性」として「経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。」という記載があり、内部環境の強みを踏まえた記述は、採択を引き寄せるポイントと言えるでしょう。
今回の記事では、持続化補助金ホームページで公開されている板金加工の計画書記載例<経営計画>「4.経営方針・目標と今後のプラン」の内容から、採択を引き寄せるポイントとして、①自社の業績を踏まえる、②外部環境を踏まえる、③内部環境の強みを踏まえる、を挙げました。
次回の記事では<補助事業計画>「2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容」を見ていきます。
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