見出し画像

持続化補助金【賃金引上げ枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方

 同社は首都圏に立地する専門サービス業です。高い専門性を継続的に多くの取引先へ発揮するために、同社は設備投資をする他にホームページとパンフレットを作成しようと考え、その費用の一部を小規模事業者持続化補助金の【賃金引上げ枠】で調達することにしました。

 ご縁があって、弊社が当補助金に申請する際の計画書策定をご支援することとなり、同社は採択されました。そこで今回の記事から、同社の計画書を参考に当補助金【賃金引上げ枠】に採択されるための計画書について、その書き方を見ていきます。

1. 持続化補助金【賃金引上げ枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方

持続化補助金【賃金引上げ枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方(1)当枠のメリットを理解する

 ご支援を開始する前に、同社に当補助金【賃金引上げ枠】のメリットとデメリットをしっかり理解していただき、メリットがデメリットよりも大きいと判断するのであれば、当枠を活用し、そうでなければ活用の見送りを弊社からご提案しました。

 当枠のメリットとして挙げられるのは、補助上限額が通常枠の4倍である200万円に引き上がるということです。これに対して、申請時に作成する計画書は通常枠と同じフォーマットを使用するため、計画書作成の負担は通常枠と変わらないと言うことができます。

 さらに、同社は直近期の決算が赤字であったため、補助率は3分の2ではなく、4分の3となります。黒字事業者が【賃金引上げ枠】で補助上限額をもらうには、最低300万円の補助対象経費を支出する必要があり、持出が100万円発生しますが、赤字事業者の場合は、最低約267万円、持出が約67万円で済むということです。

 さらに【賃金引上げ枠】を活用するということは、賃上げを推進したいという行政の思惑に則ってくれる事業者であるわけですから、当枠で申請すると優先的に採択されるというメリットもあります。概ね4割の事業者が当補助金に申請しても不採択になりますので、このようなポジティブ材料は心強いものになるでしょう。

持続化補助金【賃金引上げ枠】の採択事例から学ぶ計画書の書き方(2)当枠のデメリットを理解する

 まず、当補助金に採択され、補助金の交付決定通知がなされてから、補助事業を開始することになりますが、これは概ね半年以内に終了させる必要があります(具体的な補助事業終了時期は該当する回の公募要領で確認してください)。

 この補助事業が終了した時点において、事業場内の一番賃金の低い方がいただく賃金が、地域別最低賃金より30円以上、高くなっている必要があります。

 例えば、弊社が所在する埼玉県の地域別最低賃金は令和4年10月1日発効分で987円ですから、補助事業終了時点で1,017円以上になっている必要があるということです。なお、給与の形態が年棒や月給の場合は時給換算することになります。

 既に事業場内最低賃金が地域別最低賃金より30円以上、上回っている場合は当補助金申請時点での事業場内最低賃金より30円以上、上回る必要があります。

 例えば前述の通り、弊社が所在する埼玉県の地域別最低賃金は令和4年10月1日発行効分で987円ですが、当補助金申請時点で、これよりも30円以上高い1,050円だった場合、補助事業終了時点で1,080円以上になっている必要があります。

 そして、当補助金の対象者は小規模事業者ですが、役員・パート・アルバイトを除く従業員数で小規模事業者か否かを判断します。ですが、事業場内最低賃金の対象者はパートタイマー、アルバイトを含む点に注意が必要です。

 また、この要件が達成できなかった場合は、補助金の交付はされません。つまり通常枠の50万円すら交付されないということです。

 もっとも、このような賃上げをすることによって、節税対策になったり、従業員のモチベーション向上が期待できたりする事業者や、予めそのレベルの賃上げを予定していた事業者は、この賃上げはデメリットとは言えないはずです。同社はもともと賃上げの予定があったため、当補助金【賃金引上げ枠】はメリットしかなく、当枠を活用することとしました。

 今回の記事では、持続化補助金【賃金引上げ枠】の採択事例から計画書の書き方を学ぶ前提として、当枠のメリットとデメリットを述べました。次回の記事では<経営計画>「1.企業概要」を同社はどのように記載したのかを見ていきます。

【弊社ホームページ】

2.小規模事業者持続化補助金の計画書作成をサポートします。

1,000件を超える支援実績を通じて蓄積してきたノウハウを活用して、計画書作成のサポートを行い、採択の可能性を高めます。詳しくはこちらから↓↓↓

3.LINE友だち登録募集中

LINEで友だちとして繋がってくださった方に経営のお役立ち情報を週1回お届けしています。リアル店舗の現場経験20年以上、コンサルティング歴10年以上【通算30年以上のノウハウ】を凝縮した【未公開記事】を読んでみませんか?バックナンバーはこちらから↓↓↓

【LINE友だち登録はこちらから↓↓↓】

4.電子書籍のご案内


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?