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持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方(2)

 小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)を申請する場合は<経営計画>と<補助事業計画>を提出しますが、<経営計画>は以下の項目から構成されます。

1.企業概要
2.顧客ニーズと市場の動向
3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
4.経営方針・目標と今後のプラン

 このうち「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載した内容は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」「4.経営方針・目標と今後のプラン」に影響を及ぼすため、しっかりとした内容を記載する必要があります。

 今回の記事では、当欄のどのような点が影響を及ぼすのかという点を含め、当補助金に採択された鞄店の計画書を用いて、当欄記載のポイント見ていきます。

1. 持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]

持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]①競合動向を記載する

 公募要領は補助金に応募する際のルールブックという役割を果たしますが、その中に「審査の観点」として、以下の記述があります。

①自社の経営状況分析の妥当性
自社の経営状況を適切に把握し、自社の製品・サービスや自社の強みも適切に把握しているか。

 この「自社の製品・サービスや自社の強み」は、競合と比較して優位性のある経営資源と言え、「審査の観点」では、その内容について適切性が問われるとしています。よって、比較対象となる競合他社の状況を記載することは、適切性を高めると言えるでしょう。

 この競合動向は「市場の動向」と言えますので、今回見ていく「2.顧客ニーズと市場の動向」に記載することが妥当と考えられます。同店は、競合となる鞄のメーカーの動向を記載しており、このことは採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

 なお、競合動向を踏まえた自社の強みは「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」欄に記載することになります。

持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]②応えることのできる顧客ニーズを記載する

 上述の「審査の観点」には、以下の記載もあります。

②経営方針・目標と今後のプランの適切性
経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場(商圏)の特性を踏まえているか。

 この「対象とする市場(商圏)の特性」には、顧客ニーズが含まれると考えられます。よって、「4.経営方針・目標と今後のプラン」で応えることのできる顧客ニーズを「2.顧客ニーズと市場の動向」を記載することは、上述の「審査の観点」における記載内容を満たすことに繋がっていきます。

 同店は、この点を意識して顧客ニーズを記載したことも採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

持続化補助金に採択された鞄店の事例から学ぶ計画書の書き方[顧客ニーズと市場の動向編]③内容を切り分ける

 今回見ている「2.顧客ニーズと市場の動向」ですが、「顧客ニーズ」と「市場の動向」をまとめて書こうとすると、内容が混在しがちで、理解が困難になってしまうリスクを高めてしまいます。

 そこで、同店は【顧客ニーズ】【市場の動向】という見出しを設けて、内容を切り分け、このリスクを低減したことも採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。

 今回の記事では、当補助金に採択された鞄店の計画書に基づき、採択を引き寄せる<経営計画>「2.顧客ニーズと市場の動向」の記載ポイントとして、①競合動向を記載する、②応えることのできる顧客ニーズを記載する、③内容を切り分ける、を挙げました。次回は「3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み」のポイントを見ていきます。

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